お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

日商簿記1級受験者向け『全経簿記上級受験のポイント』

以前の記事で、日商簿記1級に向けて学習されてきた方へ全経簿記上級の受験を勧める記事を公開しました。
ただ、いざ受験するとしても、どのような対策が必要なのか、どのような点に注意すべきなのかが分からないままでは、受験する気持ちも起きないかもしれません。

そこで今回は、日商簿記1級に向けて学習されてきた方を対象に、全経簿記上級受験にあたって注意しておいた方がよいポイントの中から総論的な内容、つまり、科目や出題予想に関わらず気にしておいた方がよい内容をご紹介します。

全経簿記上級の試験対策にあたって

過去問題演習は必須と言えるでしょう。

全経簿記上級の過去問題を解いてみて、どのような内容が出題されるのか、難易度はどの程度なのかを自分自身で確かめてみて下さい。

その際、分からない点があった場合ですが、大半は日商簿記1級のテキストで復習できる内容なので、日商簿記1級のテキストで復習できるようにしておくことも大切です。

日商簿記1級のテキストでカバーできない内容については、過去問題集の解説である程度カバーしておくくらいでいいでしょう。
全経簿記上級試験も日商簿記と同様に7割の得点で合格でき、日商簿記1級のテキストに載っていないような内容で配点の3割を占めるようなことはほとんどないので、一旦無視してしまうのも1つの手です。

日商簿記1級を学習されてきた方が注意すべきポイント

日商簿記1級を学習されてきた方が全経簿記上級の過去問題を解いていくと、次の2点に気づくと思います。
  • 仕訳や勘定記入の出題が多い
  • 論述させる問題が多い

この2点について、注意すべきポイントをまとめてみました。

仕訳や勘定記入について

日商簿記1級の商業簿記・会計学では、仕訳をダイレクトに問われるケースはほとんどなく、財務諸表や決算整理後残高試算表に記入される金額のみを集計すれば解答できるケースが圧倒的に多くなっています。

仕訳に関しては下書用紙(計算用紙)にメモするだけで、金額の計算や集計がメインの学習になっている方も多いのではないでしょうか。

それに対して全経簿記上級の商業簿記・会計学では、仕訳そのものを解答させる問題が頻繁に出題されます。 商業簿記では、デリバティブリースなどの取引に関する仕訳はもちろん、連結修正仕訳そのものを答えさせる問題が出題されたこともあります。 また、会計学でも理論問題に関連する知識の理解を確かめるために仕訳の記入が求められることがあります。

ただ、商業簿記・会計学で仕訳が問われるのは、あまり問題ないかもしれません。 もっと注意すべきなのが、工業簿記・原価計算の仕訳や勘定記入です。

全経簿記上級試験の工業簿記では、ほぼ毎回、仕訳と勘定記入のいずれか、または両方を答えさせる問題が出題されています
日商簿記1級の学習をしていると、工業簿記・原価計算は商業簿記・会計学以上に計算対策の比重を高めてしまい、テキストに載っている仕訳の復習がおろそかにしがちです。

加えて勘定記入ともなると、日商簿記3級で学習して以来、あまり気にしていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
総勘定元帳には相手勘定を記入することや、その相手勘定が複数の場合には「諸口」と記入するといったことは、簿記の最初に学習する基礎中の基礎という認識で出題されているのかもしれませんが、受験生の立場では、「久しぶりにそんなことを言われても、あまり覚えていない」と思いたくなるのかもしれません。

とはいえ、この点は過去問題対策などを通じて、出てきた都度復習すれば、それほど難しいものではないので、さほど心配する必要はありません。
ただ、「全経簿記上級では仕訳や勘定科目への記入がよく出題される」ということは、きちんと認識しておくことが、重要なポイントといえます。

論述問題について

全経簿記上級試験のもう1つの大きなポイントとして、論述問題(理論問題)が多数出題されることが挙げられます。

「計算問題ではない」という意味での理論問題であれば、日商簿記1級でも何題か出題されますが、全経簿記上級の試験ではその割合がかなり高くなります。

また、正誤判定や語群選択だけでなく、2行~4行程度の文章で論述させる問題も多いのが、全経簿記上級の特徴です。

これは、会計学だけではなく工業簿記・原価計算にも当てはまる特徴で、第177回から第185回までの5回の上級試験において、工業簿記・原価計算のいずれか、または両方の科目で、2行以上の論述を要求される問題が出題されています。

この事実だけ見ると非常に難しいように感じるかもしれませんが、問われている内容は、主に計算の理由計算結果から分かることであり、テキストで書かれている内容がほとんどです。
ただ、論述問題が少なく、計算問題対策の比重が大きくなる日商簿記1級の対策をしていると、どうしても計算ばかりに目が行って、テキストでその前後に書かれている文章を読まなくなる傾向がありますので、不安な方は確認をしておくと良いでしょう。

なお、こうした記述式の問題では、記述の本旨が間違いでなければ採点上は正答となることがほとんどですが、設問の趣旨から外れると大幅な減点のおそれが出てきます。
模範解答を丸暗記して試験に臨むと、設問の趣旨に合わないことに気づかないまま覚えた文章を書いてしまうこともあるので、きちんと内容を理解したうえで、自分の言葉でもよいので設問に合う解答を心がけるようにしましょう。

違う角度から物事を見るきっかけに

ここまで書くと、「やっぱり大変そうだから、全経簿記上級は見送ろうかな…」と思うかもしれません。

ですが、日商簿記1級合格に向けて必要な思考力を鍛えるためには、同じ物事を多角的にみることも必要です。 そのきっかけとしても、全経簿記上級の受験は最適です。

「これまで計算ばかり気にしていたけど、仕訳はどうなるんだっけ?」、「計算はできるようになったけど、その結果、何が分かるんだっけ?」といったことが分かれば、思わぬ出題形式の変更や、会話文形式の問題への対応力も向上するはずです。

難しそうだから見送るのではなく、ポイントを踏まえて挑戦してみるきっかけになれば幸いです。

お知らせ

ネットスクールでは、日商簿記1級受験経験者向けの全経簿記上級対策WEB講座『試験対策コース』を開講しています。
基本的な知識の大半は日商簿記1級受験時に学んだ内容が活かせるため、全経簿記上級特有の理論問題対策や過去問題演習に特化したコースとなります。
全経簿記上級試験の合格を目指す方は、ぜひ受講をご検討下さい。

全経簿記上級 過去問題集 出題傾向と対策 17年7月・18年2月試験用

  • 製造元:
    ネットスクール株式会社
  • 定価:
    2,592円(税込)
  • ISBN:
    978-4-7810-0239-2

OTHER ENTRY この記事を読んだ人がよく読んでいる記事

SERVICE 自社サービス