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今こそ読み直そう!第145回日商簿記2級の「講評」



※第144回日商簿記1級の「講評」に関する記事はこちらです。

日商簿記検定の「講評」は確認しましたか?

前回の第145回日商簿記検定前にも同様の記事でご紹介しましたが、ご好評頂きましたので、今回は試験までもう少し日程的に余裕のある時期に公開します。
試験前の学習の見直しの参考になれば幸いです。

さて、本題ですが、改めて皆さんにご質問です。
日商簿記検定では、試験が終わるたびに、それぞれの回がどういった趣旨で出題されたのかという「出題の意図」と、採点終了後の結果を踏まえた「講評」が日商簿記検定の公式サイトにて公開されているのはご存知ですか?

どちらも試験の主催者から発信される試験問題に対する公式コメントなので、受験される級の過去の「出題の意図」や「講評」はぜひチェックして頂きたいのですが、第146回日商簿記検定が間近に迫ったこのタイミングでは、とりわけ「講評」について注目しておきたいと思います。

「講評」では、その回の受験生の理解や対策が不十分だと思われるポイントがたびたび指摘されています。
裏を返せば、そうやって指摘されているポイントの理解や対策が十分でない限り合格は難しいかもしれませんし、そこを乗り越えれば、出題者の「合格させたい受験生」のイメージに、最終的には合格に近づくかもしれません。

間近に迫った日商簿記検定に備え、今回は第145回日商簿記検定2級の出題の意図の中から、「GAINS!」編集担当者が気になるポイントをピックアップしていきたいと思います。

なお、出題の意図・講評の全文は以下のページにて閲覧できますので、気になる方はチェックしてみて下さい。 ※以下の引用文は、特に断りがない限り、第145回日商簿記検定2級「出題の意図・講評」の講評部分から引用したものとなります。

第145回日商簿記検定2級の「講評」で気になるポイント

新範囲の出題について

第145回日商簿記検定2級の第1問・仕訳問題の講評の中で、新範囲の出題について次のように述べられています。
新たに2級の範囲に追加された論点については、さまざまな配慮をすることで、初めて見る受験者も対応できるようにしました。
出題区分の改定の過渡期に実施されている試験であるため、新範囲の取り扱いについて受験生側がそれなりの対応を行っていることは当然だと思いますが、出題者側もかなり慎重な配慮を行っているようです。

さまざまな配慮」の中には、問題文の中に過去の処理状況などを通常よりも事細かに記しておくことなども含まれているようです。

しかし、受験生の中にはそういった配慮を無視してしまう事象も生じているようです。
同じ第1問の仕訳問題の4.役務原価の振替に関する問題の講評には、次のように書かれています。
4.は、役務原価の振替えで、平成 28 年度から新たに2級の範囲に追加された論点です。初めての出題のため、丁寧な記述を心掛けましたので、正答している答案が多かったです。ただ、こちらも問題文をよく読まずに、「記帳もすでに行っていた」点を見過ごして仕訳してしまい、失点している答案もありました。
平成29年度の試験から新たに2級の出題範囲となる論点があり、第1問に限らず、いくつかは第146回の試験でいきなり出題される可能性も十分に考えられます。
その際には、出題者側もかなり丁寧に問題文を記述することが考えられますので、(新範囲の問題に限りませんが)しっかりと問題文を読むようにしましょう。

長い問題文でも注意深く!

先ほどの話題と重複しますが、こんな話題も頻繁に取り上げられています。

それは、同じ第1問の講評の中でも、3.で出題された満期保有目的債券の仕訳に関する問題の講評です。
この論点は従来から頻繁に出題されているにもかかわらず、残念ながら正答率が低かったです。「支払利息」など誤った勘定科目の使用や、利息の金額の間違い、あるいは「当座預金口座から…振り込んだ」と問題文で明確に記されているにもかかわらず、よく読まずに「現金」や「普通預金」と仕訳している答案までありました。比較的長い文章に接したときでも要点を見逃さない注意力も簿記の実力の一部です。
満期保有目的債券自体は新範囲でもなく、過去に何度も出題されたことがある論点です。
しかし、問題文の読み落としなどが原因で失点してしまった答案が相当数あったようです。

それに対し、「比較的長い文章に接したときでも要点を見逃さない注意力も簿記の実力の一部」だと指摘されています。

同様の指摘は、第2問で出題された株主資本等変動計算書作成の問題に対する講評でもなされています。
こちらも、過去に何度か出題されたことがあるもので、過去問題対策をしっかりされた方は満点またはそれに近い得点をされたようです。

しかし、以下のような指摘もあります。
また、注意不足による誤答もありました。答案用紙の株主資本等変動計算書の金額が千円単位になっていることの見落とし、負の金額を表す△の符号の記入漏れ、株主資本等変動計算書の合計(小計)欄への記入にあたっての集計ミスなどが目立っていました。
株主資本等変動計算書の問題は、取り扱う分量も多いうえに、答案用紙の記載場所が多いため、どうしても注意が散漫になってしまう可能性があります。
しかし、金額の単位や負の金額を表す符号の指示を見誤ると、結果として間違った解答を記入して失点になってしまうため、このようなミスはあってはならないものでもあります。

2時間という試験時間の間、集中力を絶えず維持するのは非常に難しいことですが、せめて答案用紙に解答を記入するその瞬間は、「本当にこの記入で問題ないのか」といったことを確認する配慮をするよう、心がけましょう。

ちなみに、少し話題が飛んで工業簿記の第5問でも、同様の指摘がなされています。

第145回試験の第5問では、全部原価計算と直接原価計算の比較に関する問題が出題されましたが、ポイントとなる1個当たりの固定製造原価の計算で失点してしまった受験生が多かったようです。
しかし、問題文をしっかりと読めば間違えないように作問したようで、講評ではこのように書かれています。
[資料](2)の条件をしっかり読めれば、固定加工費を実際生産量で割って1個あたり固定加工費を計算することがわかったはずです。
当たり前ですが、作問者は問題文や答案用紙の指示を読んでもらうために書いています。
そんな想いも、講評からお分かりいただけるのではないでしょうか。

財務諸表作成問題は、みんなどれくらい解けるの?

第145回日商簿記2級の第3問では、貸借対照表作成の問題が出題されました。
精算表と比較して財務諸表(貸借対照表・損益計算書)作成問題に対して苦手意識を感じている受験生の方も多いのかもしれません。

果たして、他の受験生はどれくらい解けるものなのでしょうか。
そういったことも、今回の「講評」の中に書かれています。
平均的な得点率は過去の類問とあまり変わらない結果になっていたようです。4割から5割の得点に多くの受験者が分布していましたが、得点率が1割以下のほとんど手つかずの答案も多数ありました。準備段階で、受験者が過去問を十分に意識して学習したかどうかにより、得点に差がついてしまったように思われました。
第145回試験の貸借対照表作成問題では、だいたい半分解ければ平均レベルといったところのようです。ただ、合格率が25%であることも考えれば、これを上回る得点が必要だったことも分かります。
上記の講評から推測するには、合格圏内に入るためには最低でも6割程度は答えておきたい問題だったのではないでしょうか。

また、第145回試験の講評では、個別の決算整理事項や解答事項についても、正答率をうかがい知ることができます。
個別に答案の内容を見ていくと、貸倒引当金の計算、備品の取得価額の算定、電子記録債務の算定、貸付金と借入金の流動固定の区分は正解できた受験者が多かったようです。一方で、計算がやや複雑な部分を含んでいた商品、前払費用、備品の減価償却累計額になると、正答率が大きく落ちるようでした。また、未払法人税等の計算までたどり着いた受験者は、ほとんどいませんでした。
お手持ちの過去問題集などで第145回試験を解かれた際には、ご自身の出来具合と比較してみてはいかがでしょうか。

なお、未払法人税等の計算までたどり着いた受験者はほとんどいなかったようですが、それでも25%の受験生が合格している訳ですから、決算の問題で必ずしも100%正解にする、すなわち当期純利益などをピッタリ合わせる必要性がそれほど高くないこともお分かりいただけるかと思います。
この辺りは、他の問題との時間配分や得点などを勘案しながら臨機応変に対応するようにしましょう。

最後に

私たちネットスクールも含め試験前にはいろんな情報が発信されていますが、試験主催者が発信する情報に勝るものはないかもしれません。
ここで紹介したのはほんの一部ですので、受験される方はぜひ一度は原文を読んでみることをおすすめします。


第146回日商簿記検定まで残りわずかですが、試験終了のその時まで、悔いの残らないよう、諦めずに頑張って下さい!

お知らせ

ネットスクールでは、第146回日商簿記2級試験に向けて、直前の答案練習などを中心としたWEB講座『直前対策コース』を開講中です。
過去問題や模擬試験を解いてみて、どうやったら効率的に得点できるのかを知りたくなった方は、ぜひ受講をご検討下さい。

詳細はネットスクールの特設サイトをご確認下さい。

第146回試験 日商簿記2級 ラストスパート模試

  • 製造元:
    ネットスクール株式会社
  • 定価:
    1,512円(税込)
  • ISBN:
    978-4-7810-4231-2

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