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「忘れる」ことを恐れないで!~記憶の仕組みと勉強法~

忘れることは当たり前!

受験生の方から、よく学習相談として以下のようなお悩みを頂きます。
一度に覚えられない
一度覚えたことも忘れてしまう
同じような悩みをお持ちの方も、きっと多いことと思います。
そして、記憶力が良い方を羨んで、「自分は記憶力が悪いから、勉強が進まないんだ…」と思ってしまっていないでしょうか。

勉強に限らず、スポーツや歌、絵などを含めて、人にはそれぞれ得意なことと不得意なこと、差があることは当然ですから、記憶力にも当然ながら個人差があり、「誰もが同じ」というと嘘になってしまいます。

しかし、試験に合格する方や講師が必ずしもみんな記憶力が良い訳ではありません。
むしろ、「忘れることは当たり前」と思っている講師が多いのも事実です(ネットスクールだけかもしれませんが…)。

簡単に記憶力が向上すれば良いのですが、なかなか難しくて苦労している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そういう方は、「人間は忘れる生き物だ」と開き直って、その前提で学習していく方法を考えてみてはいかがでしょうか。人間の記憶の仕組みを理解すれば、忘却と上手く付き合いながら、学習成果も残せるはずです。

今回は、そんな内容をご紹介します。

短期記憶と長期記憶

人間の脳と記憶の仕組みは、完全には解明されていないようですが、有力な説では、簡単に記憶できるものの維持できる時間が短くて容量も小さい短期記憶(の領域)と、すぐに記憶できる訳ではないものの忘れにくく容量も大きい長期記憶(の領域)があると言われています。

視覚などで外部から得られた情報のうち、必要なものだと認識された情報が短期記憶として脳の中にストックされるようですが、次から次にやってくる情報を処理するため、短期記憶で覚えられる物事の数は個人差があるものの概ね7±2程度しかなく、しかも、何もしなければ数十秒程度で忘れてしまうようです。
したがって、短期記憶だけに頼って試験勉強を乗り越えようとするのは、かなり無理があるといえます。

ただ、短期記憶で覚えた内容を何度も繰り返し唱えたり、振り返ったりするリハーサルという行為によって、記憶時間を長くしたり、長い時間にわたって記憶を維持できる長期記憶へ転送されたりすると言われています。

そのため、記憶を維持するためには、何度も繰り返して、目にしたり耳にした情報や知識を何度も復習して長期記憶にすることが大切だと言えるのです。

エビングハウスの忘却曲線

ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスは、まったく意味を持たない音節の組み合わせを被験者に覚えさせ、時間とともにその記憶がどのような経過を辿るのかを調査しました。

その結果考案された、『エビングハウスの忘却曲線』という言葉はどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

その忘却曲線の詳しい経緯や実験結果が知りたいという方は、他の記事や文献に役割を譲るとして、その結果から次のような考察がなされています。
  • 人間の記憶は1日で大きく失われるものの、それ以降の忘却の割合は緩やかになる
  • 1度忘れた記憶を再び取り戻すには、初めて記憶するときよりも少ない時間・労力で済む
  • 意味を持たない事柄よりも、体系的な知識の方が、忘れる割合は緩やかになる
エビングハウスの忘却曲線には、人間の記憶を完全に示したものではないという批判もあるものの、学習の参考となる要素も大きく、示唆に富んだものともいえます。

記憶の性質を上手く取り入れた学習をしよう

これまで書いたような、現在分かっている人間の記憶の仕組みを考慮して、以下のような要素を学習に取り入れると、「覚えられない」「忘れてしまう」という悩みを軽減できる可能性が高くなると考えられます。

復習を大切に

テキストで読んだ内容や、先生が言った内容は一時的に短期記憶として脳の中にストックされるものの、そのまま何もしなければ、すぐに忘れてしまいます。
それを防ぐためには、何度も繰り返し読み直したり、簿記などであれば練習問題を解いたりして、新たに取り入れた情報を振り返って長期記憶として定着させることが必要です。

また、長期記憶として定着させようとしても、人間の記憶は1日で大きく失われてしまうので、そのまま放っておいても意味がありません。
ですが、1度覚えたものを思い出すのに必要な時間や労力は、最初に記憶として定着しようとしたときに要した時間や労力よりも少なくて済みます。また、それを2回、3回と繰り返していけば、より少ない時間や労力でも覚えなおすことが可能となります。

したがって、新たに学んだ知識については、次の日にどれくらい覚えられているのかを確認し、忘れていたものは覚えなおすための復習を行うのも効果的な学習といえます。

また、それを1週間後、1カ月後など、できれば時間間隔を変えて再度確認するような復習も効果的ですから、テキストや講義は「一度読んだり聞いたりしたら終わり!」とするのではなく、二度、三度と見直すことも効果的です。

そのような学習を行うためには、最初に分からなかったり一度では覚えきれなかったりした内容に出くわしたときに、そこで立ち止まるよりも、一旦はスルーして先に進み、再度復習するときにもう一度理解したり覚えたりしようと努めた方が、結果的に上手くいく可能性があるということも知っておいた方がよいでしょう。

意味を理解する

人間は意味の持たない(意味が分からない)物事よりも、意味を認識できる物事や相互に関連付けられている物事の方が、記憶に残りやすく忘れにくくなると言われています。

また、聴覚的な情報だけでなく、視覚的に思い浮かべることで、長期記憶として定着しやすくなる傾向もあるようです。

したがって、意味も分からずに暗記で乗り切ろうとしても、結果的には忘却との戦いとなって、時間や労力を浪費してしまう可能性があります。
加えて、簿記・会計系の試験のように思考力が問われたり、推定や判断といった応用力が問われたりする出題が頻繁に行われるような試験では、単に知識を知っているだけでは太刀打ちできないリスクもあります。

そのため、時間がかかって遠回りのように思えるかもしれませんが、学習はできる限り意味を理解することに注力した方が、結果として合格などの成果を出すのに効果的な学習となる可能性が高くなります。

また、テキストや問題集に図解やイラストがあれば、それらと関連付けて理解に努めたり、自分で図示しようと試みたりすることも有効と言えるでしょう。

試験間近になって時間が無くなったときには「良く分からないけど丸暗記」で乗り切ろうとするのも1つの方法ですが、あくまでもこれは最終手段と考え、できる限り理解するように心がけましょう。


繰り返しになりますが、人間は忘れる生き物です。
ただ、復習で振り返ったり、意味をとらえたりすることで、その欠点を補うこともできるのも事実です。

忘れることは恐れずに、忘れる前提でのご自身なりの学習法を見つけてみてはいかがでしょうか。

お知らせ

ネットスクールより、脳による記憶の性質を踏まえた、新しい形の仕訳集が登場しました。その名も、『脳科学×日商簿記(日商簿記2級/3級)』です。

過去の出題実績をもとに、出題可能性の高いものから学べるようになっているのはもちろんのこと、掲載している仕訳問題は、翌日に全く同じ問題を、1週間後には数字だけが異なる問題を、そして3週間後には問題文が異なる同じ内容の問題としておりますので、1つの論点を定期的に復習としてアウトプットすることで記憶が定着するようになっております。

脳科学的に合理的な方法で簿記を理解し、仕訳をマスターして合格の栄冠を勝ち取りましょう!

合格するにはワケがある 脳科学×仕訳集 日商簿記3級

  • 製造元:
    ネットスクール株式会社
  • 定価:
    1,080円(税込)
  • ISBN:
    978-4-7810-1526-2

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