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11月=サムライ?~月と日数の覚え方~



「大の月」と「小の月」

1月から12月までの各月の日数は、その月によって異なります。
そのうち、31日まである月を『大の月』、それ以外(28日~30日しかない月)を『小の月』と呼ぶことがあります。

日常生活はもちろんですが、簿記検定でも利息の日割計算を行う際に必要となることがあるので、何月が何日まであるかということは覚えておくに越したことはありません。

具体的に1月から12月までの日数を並べると(大の月を赤小の月を青で示します)、
 1月:31日
 2月:28日(or29日)
 3月:31日
 4月:28日
 5月:31日
 6月:30日
 7月:31日
 8月:31日
 9月:30日
 10月:31日
 11月:30日
 12月:31日
となるので、ぜひ覚えておきましょう。

「大の月」と「小の月」の覚え方

先ほど、「覚えておきましょう」と書いたものの、単純に大の月と小の月が交互になっていたり、偶数と奇数で綺麗に分かれたりしている訳ではないのが、厄介なところです。

そのため、日常生活の知恵として、色んな覚え方が一般に広く知られています。 代表的な2つの方法をご紹介しましょう。

手の甲を使った覚え方

左右どちらの手でもよいので、グーの形に手を握ると、人差し指から小指までの付け根部分の関節が出っ張っており、その間が凹んでいます。

その凸凹の出っ張っている部分を大の月凹んでいる部分を小の月とみなして数えていくのがこの方法です。

例えば、右手を使ってみましょう。

左から出っ張っている部分(人差し指の付け根)を1月、その右側の凹んでいる部分を2月出っ張っている部分(中指の付け根)を3月…といった具合に順々に数えていくと、7月まで数えられます。

そこから折り返していくわけですが、その際に注意が必要です。
折り返す際に、8月は7月と同じ部分で数え、そこから左方向に戻っていき、9月、10月…と12月まで数えていくと、見事に大の月が出っ張っている部分、凹んでいる部分が小の月となります。

『西向くさむらい』の語呂合わせ

もう1つ有名な覚え方が、『西向くさむらい』という語呂合わせです。

小の月のうち2月・4月・6月・9月の「2・4・6・9」を『に・し・む・く(=西向く)』、残った11月を『>さむらい』と当てたのが、この語呂合わせです。 小の月さえ分かれば、その他の月は31日まである大の月だという消去法的な覚え方とも言えます。 さて、なぜ11月が『さむらい』なのでしょうか。 これは、「11」という数字を漢数字にしてみると分かります。 「11」を漢数字にすると「十一」。 この2文字を縦に並べる(繋げる)と、武士の「」の字となります。ここから、11月が『さむらい』になったと言われています。

せっかく『西向くさむらい』という語呂を覚えても、『さむらい』が何を指すのかが分からないと困惑してしまうかもしれませんが、よく知られた語呂合わせなので、覚えておくと良いでしょう。

今よりもっと複雑だった江戸時代?

さて、現在使われている暦にもとづいた大の月と小の月の覚え方をご紹介しましたが、せっかく『さむらい』というキーワードが出てきましたので、本当のお侍さんがいた江戸時代のお話も少しご紹介しましょう。

今の日本が採用している暦は地球が太陽の周りを公転する周期に基づいた太陽暦が採用されていますが、江戸時代(正確には明治5年)までの日本では、太陽と月の満ち欠けに基づいた太陽太陰暦という暦が使われていました(今では「旧暦」と呼ばれるものです)。

その頃の1カ月は月の満ち欠けのサイクルが一巡する新月から次の新月までの期間が基準となっていました。

しかし、月の満ち欠けは約29.5日周期なので、その周期をそのまま1か月に当てはめてしまうと、1日の途中で次の月を迎えてしまいます。

そこで、1カ月が30日の「大の月」29日の「小の月」を上手く組み合わせることで調整していました。

掛取引の記事でも紹介した通り、江戸時代の日本では掛取引が主流で、月末になると掛代金の支払いや取立てが行われることから、今月が大の月なのか小の月なのかということはとても大切で、間違ってはいけない情報でした。

そうした背景から大の月と小の月を区別する方法が色々と工夫され、先ほど紹介した『西向くさむらい』という語呂合わせも江戸時代に考案されたのではないかという説もあるほどです。

ただ、江戸時代の日本の暦は現代よりも、もっと複雑でした。

先ほど紹介した通り、月の満ち欠けは約29.5日周期で繰り返されます。 1年間は12カ月ですから、単純に12倍すると、29.5日×12=354日となり、地球が太陽の周りを1周する約365日と一致しません。

これを放置しておくと、1年につき約11日ずつ暦と季節がずれていき、同じ8月でも真夏の8月と真冬の8月が存在してしまうことになります。

そうしたことを防ぐため、当時の日本では、1年につき11日ずつ生じるズレが1か月分となる2~3年おきに『閏月(うるうづき)』というものも挿入して、暦と季節がずれていかないような工夫も取られていました。

例えば、犬将軍として知られた5代目将軍・徳川綱吉が『生類憐みの令』を制定した1867年(貞享4年)の暦は次のとおりでした。

 1月:大の月
 2月:小の月
 3月:小の月
 4月:大の月
 5月:小の月
 6月:大の月
 7月:大の月
 8月:小の月
 9月:大の月
 10月:大の月
 11月:小の月
 12月:大の月


では、その翌年の1868年はどうでしょうか。1868年の暦は次のとおりです。

 1月:小の月
 2月:大の月
 3月:小の月
 4月:小の月
 5月:大の月
 6月:小の月
 7月:大の月
 8月:小の月
 9月:大の月
 10月:大の月
 11月:大の月
 12月:小の月


ご覧のとおり、1年でまるっきり変わることがお分かりいただけるかと思います。
さらに翌年の1869年の暦はこのように変わります。

 1月:大の月
 閏1月:小の月
 2月:大の月
 3月:小の月
 4月:小の月
 5月:大の月
 6月:小の月
 7月:大の月
 8月:小の月
 9月:大の月
 10月:大の月
 11月:大の月
 12月:小の月


この年には、1月と2月の間に閏月(閏1月)が入っています。それ以外は前年(1868年)とかなり似通っていますが、1年が13カ月あるというのは、今の私たちには想像が難しい世界かもしれません。

※もっと詳しく知りたい方は、国立国会図書館のホームページも見てみると面白いかと思います。

もし、このような暦を今も採用していたら、簿記の問題で登場する日割計算や月割計算は今以上にややこしいものになったのかもしれませんね。

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