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財務分析の「○○率」の法則



財務分析の分野では、『当座比率』や『固定比率』、『自己資本当期純利益率』など、様々な分析指標が登場します。

試験では、それぞれ覚えた公式に必要な数字を当てはめて計算していくことになるかと思いますが、いくつも似たようなものがあり、なかなか混乱してしまいがちでもあります。

ですが、『○○率』という名称がついている財務分析指標の中には、一定の法則に従って計算できるものがあります
100%当てはまる訳ではありませんが、その法則を知っていれば、仮に公式を忘れてしまっていても、名称をヒントに公式を導き出せる可能性があります。

この記事では、そんな法則についてご紹介したいと思います。

1つの単語・用語の後に『率』が付くケース

多くの日本語に該当する『○○率』の法則

財務分析以外でも、日常的に『○○率』という言葉をよく見かけます。

例えば、検定試験を受験される方が気になるものと言えば『合格率』でしょう。
この『合格率』は「受験者数全体のうち、合格した人の割合」を示すもので、「合格者数÷受験者数」という式で計算されます。

また、テレビ番組の人気を測る『視聴率』という言葉もなじみがあるのではないでしょうか。
この『視聴率』は、(細かい定義を省いてざっくりと説明すれば)「ある地区のテレビを保有する世帯のうち、実際にそのテレビ番組を視聴した世帯の割合」を示すもので、「視聴世帯数÷全体の世帯数」という式で計算されます。

他にも様々な『○○率』がありますが、上記の例からも分かる通り、多くの『○○率』という言葉は、「全体に対する○○の割合」を示すことが一般的です。

したがって、その式も「○○÷全体」といった具合に、名称に使われている『○○』が割り算では最初(割られる数)、分数で表せば分子となります。

もちろん例外はありますが、日本語に登場する多くの『○○率』という言葉の法則が、多くの財務分析の指標でも当てはめることができます。
実際にその事例をいくつか見ていきましょう。


財務分析で登場する『○○率』

原価率と利益率

最も名称がシンプルな用語に『原価率』と『利益率』があります。
これらはいずれも、先ほど紹介した『○○率』の法則に当てはめることができます。

ただ、「何に対する原価or利益か」を知らないと、割り算の後半もしくは分数式の分母が分かりません

この2つは、いずれも「売価に対する割合」を示すものですので、全体というのは「売価」もしくは「売上高」が該当します。

したがって、単価で考える場合の原価率は「1つ当たりの原価÷販売価格」、利益率は「1つ当たりの利益÷販売価格」となり、損益計算書に計上された金額などの総額で考える場合の原価÷売上高」、利益率は「利益÷売上高」となります。

流動比率と当座比率

流動比率』と『当座比率』の2つは、途中に『資産』という言葉を補うと、分かりやすくなります。
『流動比率』は『流動資産比率』、『当座比率』は『当座資産比率』といった具合です。

したがって、この2つについては分子に『流動資産』や『当座資産』が来ることが分かります。

では、分母に何が当てはまるかというと、『流動負債』が該当します

分母に来る項目が何かを覚えておかなければならない点に少々難がありますが、割り算の順番もしくは分母と分子のどちらにくるかで迷ったときに、この法則を知っていれば迷うことはなくなるでしょう。

用語が2つ並ぶケース

先ほど見たような会計用語が1つの場合、「全体もしくは比べる対象が分かっている」ことが前提となっていましたが、そうでない場合も多々あります。

このとき、財務分析で用いる指標の名称では、関連する2つの用語を直接並べて表すことがあります。

例えば、『売上高営業利益』です。 これは、売上高に対する営業利益の割合を示すものなので、『営業利益÷売上高』で求められる指標です。

これと似たようなものに、例えば総資本(資産合計)に対する営業利益の割合を示す『総資本営業利益』や、売上高に対する経常利益の割合を示す『売上高経常利益』などもあり、これらすべてを的確に区別して表すためには、関連する2つの用語をきちんと分析指標の名称として表す必要が生じます。
こうした目的のため、会計用語を2つ直接つなげた名称の分析指標もあるのです。

このケースでは原則として、前にある用語が分母後ろにある用語が分子となるようになっています。

したがって、2つの用語の境目に「」の向きの線を入れて分数に見立てれば、仮に公式を忘れたとしても、正解できる可能性はぐんとあがるでしょう。

ただし、間に「対」という字が入るケースを始め、これにも一部の例外はありますので、必ずしもすべてのケースに当てはまる訳ではないので、そうした例外はきちんと覚えておく必要があります。


1級建設業経理士試験やビジネス会計検定など、直接的に財務分析の知識が問われる検定試験の他、全経簿記上級試験や全商簿記1級試験でも財務分析の知識を問う問題が一部出題されることがあります。
場合によっては、財務分析がメインとならない後者の試験の方が、じっくりと財務分析の対策に時間を使うことが難しいかもしれませんので、そういった状況にある方にとって、便利な覚え方になれば幸いです。

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