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平成30年度日商簿記検定1級出題区分表の変更点



平成30年度日商簿記検定出題区分表の公表

平成30年2月1日、日本商工会議所の検定公式サイトにて、平成30年度に実施される日商簿記検定において適用される出題区分表、すなわち出題範囲が公表されました。

平成30年度に実施される試験で適用されますので、回数でいうと以下の3回(1級は第151回を除く2回)の試験で適用されることとなります。
  • 第149回:平成30年6月11日(日)実施
  • 第150回:平成30年11月18日(日)実施
  • 第151回:平成31年2月24日(日)実施 ※2・3級のみ


気になる内容・変更点ですが、3級については前年度と変更はありません。
また、2級についてはかねてより告知されていた出題区分改定が予定通りに行われることになっています(このことについては、また別の記事で取り上げる予定です)。

そして1級についてですが、出題区分表の表自体に変更はないものの、注釈として非常に大きな内容が書かれていますので、そちらについてこの記事でご紹介します。

割賦販売に関する留意事項

平成30年度の出題区分表では、商業簿記・会計学の出題区分表の末尾に下記留意事項が加筆されました。
(留意事項)「収益認識に関する会計基準」の適用が確定するまで回収基準及び回収期限到来基準に関する出題を見送る。また、確定した当該基準の内容に応じて、出題内容が見直される可能性がある。
「回収基準」「回収期限到来基準」は、ともに割賦販売の収益認識に関するものです

したがって、この留意事項を読む限りでは、次回の第149回試験(平成30年6月実施)以降の日商簿記1級において割賦販売に関するこれら2つの論点はしばらく出題されないといえることになるはずです。

割賦販売を含む特殊商品売買は、原価率や各種金額の推定などを絡めたパズル的な問題も過去に何度も出題され、多くの受験生を苦しめてきた過去があるため、(この点に関してのみですが)受験生の負担は軽くなるものと思われるグッド・ニュースと言えるのかもしれません。

ただ、割賦販売そのものの出題が見送られる訳ではありませんので、その点は注意しておきましょう。

「収益認識に関する会計基準」って何?

ちなみに、留意事項に登場する「収益認識に関する会計基準」が気になった方のために、この会計基準についても軽くご紹介しておきます。

意外なことかもしれませんが、これまで収益認識に関する包括的な会計基準はありませんでした。

例えば建設業における「工事契約に関する会計基準」のように、特殊な業界における収益認識については、いくつか会計基準やそれに類するものが制定されましたが、それ以外の収益の多くは、企業会計原則の損益計算書原則にある“売上高は実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。”を元に実現主義の考え方に基づいて収益認識を考えるしかなく、様々な新しいビジネスや商取引をカバーできている状況とは言えませんでした。

それは海外においても同様であったため、先行して国際的な会計基準であるIFRSとして「顧客との契約から生じる収益」(IFRS第15号)が平成26年(2014年)に公表され、平成30年1月から適用されることになりました。

日本の会計基準もこれをベースに、収益認識に関する包括的な会計基準として「収益認識に関する会計基準」が作られることとなり、平成33年4月以降の適用を目指して、現在様々な手続き・検討が行われています。

この会計基準は収益認識について全般的に取り扱うものであるため、適用されるタイミングではかなり広範にわたって会計処理や収益の計算、理論問題の用語が変わる可能性があります。
日商簿記1級を受験される方はもちろんですが、将来的に税理士試験や公認会計士試験に挑戦する方、会計系の検定試験の指導にあたる方にとっては、今後の動向に注目すべきといえるのかもしれません。


(おまけ)税効果に係る会計基準の改正について

この記事を執筆時点では確定情報となっていませんが、現在、「税効果に係る会計基準」の一部改正の公開草案が出ており、平成30年2月中の最終基準化、平成30年4月1日以降に開始する事業年度からの適用が予定されています。

細かい内容は割愛しますが、日商簿記1級の試験で頻繁に出題される内容に関して大きな変更が予定されています。

それは、繰延税金資産・負債の表示区分です。

これまでは関連する資産・負債の分類に基づき、繰延税金資産を流動資産と固定資産(投資その他の資産)のいずれかに、繰延税金負債も流動負債か固定負債のいずれかに分類する必要がありました。

それが、この改正によってすべて固定項目、すなわち繰延税金資産は固定資産(投資その他の資産)に、繰延税金負債は固定負債という分類で統一される予定です。

この変更はあくまでも公開草案時点での内容ですので、最終的な会計基準になる段階で変更される可能性もありますが、公開草案のとおりになれば、税効果会計についても受験生の負担が軽くなるかもしれません。

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