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今こそ読み直そう!第147回日商簿記3級の「講評」



※第147回日商簿記2級の「講評」に関する記事はこちらです。

日商簿記検定の「講評」は確認しましたか?

毎回、それなりの反響を頂いておりますので、3級についても前回の日商簿記検定の「講評」を振り返っていきましょう。

日商簿記検定では、試験が終わるたびに、それぞれの回がどういった趣旨で出題されたのかという「出題の意図」と、採点終了後の結果を踏まえた「講評」が日商簿記検定の公式サイトにて公開されているのはご存知ですか?

どちらも試験の主催者から発信される試験問題に対する公式コメントなので、受験される級の過去の「出題の意図」や「講評」はぜひチェックして頂きたいのですが、第148回日商簿記検定が間近に迫ったこのタイミングでは、とりわけ「講評」について注目しておきたいと思います。

「講評」では、その回の受験生の理解や対策が不十分だと思われるポイントがたびたび指摘されています。
裏を返せば、そうやって指摘されているポイントの理解や対策が十分でない限り合格は難しいかもしれませんし、そこを乗り越えれば、出題者の「合格させたい受験生」のイメージに、最終的には合格に近づくかもしれません。

間近に迫った日商簿記検定に備え、今回は第147回日商簿記検定3級の出題の意図の中から、「GAINS!」編集担当者が気になるポイントをピックアップしていきたいと思います。

なお、出題の意図・講評の全文は以下のページにて閲覧できますので、気になる方はチェックしてみて下さい。 ※以下の引用文は、特に断りがない限り、第147回日商簿記検定3級「出題の意図・講評」の講評部分から引用したものとなります。

第147回日商簿記検定3級の「講評」で気になるポイント

第147回日商簿記検定3級の合格率は40.3%で、今回も40%を超えました。
第146回の50.9%と比べると下がっていますが、過去の傾向から比べると比較的高い方だといえます。

ただ、受験生の出来具合にはばらつきがあるようで、中には少し厳しい意見が述べられているところもあります。

そういった部分は、見方を変えれば「受験生に求めるレベルや内容」を示していると考えることもできるはずですから、今後の試験の参考のためにも、これから受験を控えていらっしゃる方が気にした方が良さそうなポイントをピックアップしてご紹介します。

仕訳をパターンで覚えていませんか?

第3問の試算表作成問題の正答率は「高くも低くもない印象」だったようです。
ただ、誤答が多かった内容について、次のように書かれています。
誤答が目立ったのは、①商品発送費(顧客負担)、②給料の支払い(所得税の源泉徴収)、③普通預金の残高の3点です。
①については上記の出題の意図のとおりです。実務においても、企業によって設定している勘定科目が異なるため、本問のような判断が必要な場面があります。②と③は「控除後」の指示を読み取れていないことによる誤りが多く見受けられました。特に③は6月末残高と問題文で示されている取引の金額をそのまま集計するだけですので、問題文をしっかり読んで落ち着いて解くことが 大切です。
どれも、問題文をよく読んで、その問題が想定しているの状況や設定に合わせて正しい仕訳(勘定科目や金額)を導く必要があった問題でしたが、その読み取りができなかったという受験生が多かったようです。

また、ICカードを用いた取引の処理も第3問で問われましたが、この点については次のように書かれています。
ICカードは過去に第1問や第4問で出題されていることから、一定の受験者が正答を導けていました。本問のように交通費以外での使用、もしくは従業員の交通費に関してICカードの利用履歴を確認した後に企業から従業員へ使用額を支払う使い方もありますので、取引パターンを限定せずに学習することが必要です。
過去問題で出題された取引についても、その状況や条件が変われば、答えとなる仕訳の形や計算も変わる可能性があります。

限られた時間の中で全てに対応するのは難しいかもしれませんが、「意味は分からないけどとりあえず仕訳を覚えておく」という対応を繰り返すと、問題文を読み取って適切な対応を取ることが難しくなります。

出題者側もそうした受験生の心理を知った上で「適切に問題文を読み取っているか」を問うような問題を出題する可能性が十分にあると思いますので、受験生としても注意しておきましょう。

仕訳と転記

第2問や第4問では、帳簿記入に関する問題がしばしば出題されます。
第147回試験でも第4問で支払手数料勘定と前払手数料勘定の記帳問題が出題され、どの金額が前払手数料になるのかといった金額の算定で戸惑った受験生も多かったようです。

ただ、採点結果を見るとそれよりも帳簿記入に関する基礎的な知識が不足している受験生が多かったようで、講評では次のように書かれています。
多かった誤答は①勘定の締切方法(損益なのか次期繰越なのか)、②仕訳で支払手数料が生じない取引を転記している、③前払手数料の金額の算定です。
転記を苦手とする受験者もいますが、仕訳と転記はワンセットですから、勘定記入の理解を深めて欲しいと思います。また、貸借対照表項目と損益計算書項目では勘定の締切方法が異なりますので、この点についても学習しておいてください。
次の試験でも勘定記入の問題が出題されるかどうかは分かりませんが、仕訳と転記、勘定記入の知識があやふやなまま2級に進んで工業簿記で苦労される方も多くいらっしゃいます。

配点は少ない第2問・第4問ですが、点数が取れる問題ではきちんと得点しておきたいところでもあります。
複雑な推定問題などは、時間との関係を考えれば優先順位は下がりますが、基本的な帳簿記入に関しては、気を付けるポイントもそれほど多くありませんし、2級に進んだ時にも意外と大切な知識になりますので、転記や帳簿記入に関する復習も少し時間を割いてみてはいかがでしょうか。

精算表のついでに財務諸表も確認を!

第5問の決算に関する問題について、第147回では精算表の作成問題が出題されました。
受験生としたは精算表の方が解きやすいようで、講評でも
精算表作成の基本的な問題であったため、良くできていました。
と、正答率が良かったことが書かれています。

ただ、
間違いが目立った箇所は、前払保険料の算定と、勘定科目の貸借対照表または損益計算書への移記です。
とあり、特に後者の「勘定科目の貸借対照表または損益計算書への移記」については、ある勘定科目が貸借対照表と損益計算書のどちらに記入されるものかという理解が不十分だったことが原因として考えられるため、不安な方はもう一度しっかりと確認しておいた方がよいでしょう。

また、決算に関する問題について、以下のようなことも書かれています。
精算表は作成できるが、財務諸表(貸借対照表と損益計算書)の作成ができない受験者が一定数いるようです。精算表と財務諸表の関係が分かれば、財務諸表の作成は難しくありませんので、財務諸表の作成についても理解を深めておいてください。


精算表作成問題と財務諸表作成問題で、決算整理仕訳の考え方は共通しているため、一部科目の表記が異なる点と金額の集計方法などのプロセスの違いを理解しておけば、講評でも指摘されているとおり、財務諸表の作成はそれほど難しくないはずです。

「理解を深めておいてください」と書かれていますし、第5問は配点も大きいため、こちらも不安な方は確認をしておきましょう。

最後に

今回、初めて日商簿記検定を受験するという方も多いのではないでしょうか。

検定試験は、「こういうを理解している人を合格させたい」とか「こういうことしかできない人は合格させないようにしたい」という出題者の意図に応えることが合格への近道です。
その際、インターネットを調べてヒットするコメントなどを参考にしても良いのですが、情報の信頼性として試験主催者が発信する情報に勝るものはないかもしれません。

ここで紹介したのはほんの一部ですので、受験される方はぜひ一度は原文を読んでみることをおすすめします。


第148回日商簿記検定まで残りわずかですが、試験終了のその時まで、悔いの残らないよう、諦めずに頑張って下さい!

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