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第189回全経簿記上級の「合格率」と「採点講評」



第189回全経簿記能力検定 上級試験 受験者データ発表

2018年2月18日に実施された第189回全経簿記能力検定試験の上級試験の受験者データが、4月17日に主催者である全国経理教育協会(全経協会)のホームページにて発表されました。

気になるデータは以下のとおりです。
  • 受験申込者数:2,596
  • 実受験者数:2,210
  • 合格者数:335
  • 合格率:15.16


『採点終了にあたって』の気になるところ

全経簿記能力検定試験の上級試験は、合格率等の受験者データが発表されるのとほぼ同じタイミングで、『採点終了にあたって』という採点者もしくは出題者側の講評に相当する文書もホームページで公表されることになっています。

第189回試験の『採点終了にあたって』も、受験者データの発表と同じ2018年4月17日に全経協会のホームページで公開されています。

受験者全体の正答率や解答状況、個別問題の留意点や出題の意図、受験生に要求することなどが主催者側の視点で書かれている(唯一といっていい)文書です。
今回の第189回試験を受験した方はもちろんですが、次回以降の上級試験を受験予定の方も、また、日商簿記1級を受験予定の方もどのようなことに気を付けるべきなのかを知る目的で、ぜひ一読しておきましょう。

今回は、その中から今後の試験にも関係しそうな内容をピックアップしていきたいと思います。

会計学での漢字の誤りを含む誤字脱字について

全経簿記上級試験は、日商簿記1級に比べて用語に関する問題(空欄補充)や、理由などを文章で論述させる問題が多いため、気になるのは誤字や脱字です。
また、用語は分かっていても漢字に不安があるという方も多いのではないでしょうか。

その点について、今回の「採点終了にあたって」では、次のように書かれています。

前回も指摘しましたが、誤字脱字や不正確な表現が多いので、注意してください。例えば、「多額」を「巨額」、「陳腐化」を「人気がなくなった」などです。また、「陳腐化」を「ちんぷ化」、「劣化」を「れっか」と記述している例もありました。国語の試験ではありませんから一般用語であれば大目に見ることもできますが、専門用語に関する誤字脱字やひらがなでの解答は、誤答とせざるを得ません。

ここでいう「専門用語」がどの範囲までを指すのか、解釈の余地がありそうですが、少なくとも勘定科目財務諸表上の表示科目は当然のこと、会計基準等で記載されている用語(「陳腐化」や「劣化」など)も、漢字に誤りがあったりひらがなで書いてしまったりすると誤答になってしまう「専門用語」の範疇に入ると読み取ることもできそうです。

もちろん国語の試験ではないので、ある程度の誤りは許容されるかもしれませんし、漢字の書き取りテストの前日のように漢字ばかりを練習するのも非効率的だと思いますが、試験の解答が手書きである以上、正しく書けるかどうかを日頃から意識しておく必要がありあそうです。

解釈が分かれる問題の対応について

第189回の工業簿記の問題1・問5については、問題文の解釈が難しく、多くの受験生の方が苦労されたことが解答速報会のチャットなどからもうかがえます。

ですが、この問題の採点について、「採点終了にあたって」では次のように書かれています。

問5については、一部の答案において問題文の解釈が分かれたようでしたが、この点については考慮して採点しました。

具体的にどのような解釈の分かれ方があったのか、どのように考慮したのかまで明らかになっていませんが、少なくとも問題文に複数の解釈が生まれることが答案から分かったことや、それに対して機械的に誤りとせずに採点するときに事後的に考慮したことは明らかです。

このような対応がなされることもあるようですから、問題文の解釈で迷ったり文意のポイントが一意につかめなかったりしたときも、(時間が許す限り)まずは自分なりの解釈で解答するようにしてみるべきだといえるでしょう。
空欄では考慮して採点されることもないでしょうから、迷った時も「自分の考えはこのとおりです」ということをアピールように心がけましょう。

答案の文字について

この点については、第185回のときも、第187回のときも同様の指摘がされており、毎回恒例のようにありつつありますが、今回も答案用紙の文字が不明瞭である旨が、至る所で指摘されています。 例えば、商業簿記については以下の文章で締めくくられています。

第187回の「採点を終えて」でも指摘されていましたが、今回も判読しにくい文字や数字を時折見かけました。正しい答えが分かっていそうだが採点のうえで評価できないというのは、採点者としても悲しいことです。文字や数字はしっかりと書いてください。

採点者としてもとても悲しいことです」という部分から、受験生が本当は理解しており正しい結論を導き出せているものの、採点ではそのように評価できなかったのかもしれません。 一方、会計学の採点講評では、

問題3は、比較的良くできていました。ただ、数字の乱雑な書き方は程度によっては誤答としています。たとえば、「00」が「ω」や「νν」となっていたりすると、それは正解にはできません。

と言った具合に、乱雑な答案については誤答にすることが明確に指摘されています。


過去の同様の記事でも同じようにお伝えしていますが、決して「きれいな文字」でなくてもよいので、「丁寧な文字」を書くように心がけましょう。

平成30年度税理士試験を目指す方へ

全経簿記上級試験を受験される方の中には、税理士試験の受験資格の取得を目的とする方も多いことかと思います。

今回、見事合格された方は税理士の受験資格を取得できた訳ですが、税理士試験が目標の方は、可能であれば平成30年度の税理士試験を受験してみましょう。

既に受験案内書や申込書の配布は始まっており(詳しくはこちらの記事をご覧下さい。)、5月8日(火)から18日(金)が申込受付期間ですので、すぐに申し込む必要があります。 また、合格された方は、後日『合格証書』を受け取ることと思いますが、この『合格証書』では、税理士試験の受験資格の証明にはなりません
税理士の受験資格を証明するには、別途、『合格証明書』が必要となります。合格証書との違いや請求方法については、以下の記事にまとめてありますので、よく確認しておきましょう。
簿記検定の「合格証書」と「合格証明書」

発行を請求して実際に入手するまでには一定期間が必要となりますので、受験予定の方は早めに請求手続きを行いましょう。

なお、税理士試験の簿記論・財務諸表論で出題される内容の多くは全経簿記上級で学習した内容なので、(財務諸表論の理論問題対策はもう少し深くしておく必要がありますが)計算問題について新たに多くの内容を学習するといった必要性は低いのが特徴です。
※まれに多くの受験生が初めて見るようなレベルの高い内容が出題されることもありますが、そういった内容は解答できる受験生がほとんどおらず、合否に影響しないと考えられるため、無視してしまうのも合格に向けたセオリーの1つです。

ただ、税理士試験の簿記論・財務諸表論は問題のボリュームが非常に大きく、問題用紙はA4版で10ページ以上となるのが通常です。
このボリュームを2時間の制限時間内ですべて解くのは非現実的であるため、税理士試験では限られた時間内で合格に必要な問題を取捨選択し、解くべき内容を効率的に解くという対策が必要になります。
ネットスクールの税理士WEB講座では、本試験形式の問題演習に特化した直前対策コースの受講を受付中です。
せっかく受験するのであれば合格を狙いたいという方は、ぜひ受講をご検討下さい。

お知らせ

ネットスクールでは、全経簿記上級試験のほか、日商簿記1級や税理士試験対策のWEB講座を開講中です。
合格発表後に次の試験に向けての学習方法をご検討中の方は、ぜひともネットスクールのWEB講座もご検討下さい。

詳細はネットスクールホームページをご覧下さい。

全経簿記上級 過去問題集 出題傾向と対策 18年7月・19年2月試験用

  • 製造元:
    ネットスクール出版
  • 定価:
    2,592円(税込)
  • ISBN:
    978-4-7810-0250-7

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