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簿記を勉強した人が「財務分析」を学ぶ意義



簿記の勉強は役立つのか?

簿記の講師をしていると、簿記検定の合格に向けて学習した方から「○○の簿記検定2級まで合格したけど、あまり使えないんだよなぁ」という声を少なくない回数、耳にします。

事実、多くの簿記検定で出題される試験範囲は「財務諸表(決算書)を作るために必要な日々の仕訳や記帳、決算の知識」を身に付けているかが主眼になっており、これに沿って学習した内容が直接的に役立つのは、おそらく経理職に就いた方くらいかもしれません。

では、経理職に就かない人にとって簿記の勉強は役に立たないのでしょうか?
答えは「NO」といえるでしょう。

ただ、単に簿記の勉強だけでその知識を活かすのではなく、もう1つの知識を身に付け、それと組み合わせることで最大限の効果を発揮することが期待できます

その「もう1つの知識」というのが、「財務分析(決算書分析)」です。

簿記の勉強をしてきた方が、「財務分析(決算書分析)」を学ぶ意義について、今回はご紹介しましょう。

簿記の知識は「問題解決能力」

企業の経営が順調ではなくなると、その兆候が財務諸表(決算書)に表れてきます。
例えば、「利益が減ってくる」「負債(借金)が増える」などといった兆候です。

こうした兆候が表れてくると、企業は財務諸表の数値をよく見せようと、その問題解決を図りますが、簿記の学習をしている方ならお分かりのとおり、財務諸表を作る簿記のプロセスはそれほど単純ではありません。

例えば、「利益を増やすために売上を増やそう」と考え、営業を頑張って多くの注文を取ってきて、代金も先に受け取ったとしましょう。
販売先も見つかり、代金も先に貰えて手元の現金が増えるので経営的に楽になるように見えるのですが、簿記を学んだ方からのピンとくるかもしれません。

先に代金を受け取っても、商品を渡すまでは『前受金』という負債になるはずだ」と。

そのとおりです。
仮に契約までこぎつけて代金を先に受け取っても、肝心の商品を相手に渡さない限り、それは単なる代金の前受けに過ぎず、仕訳も「(借) 現金  ×× (貸)前受金 ××」となり、売上は1円も増えません。

簿記を勉強した方にとっては当たり前のことかもしれませんが、そうでない方の中には以外に思う方も多いようです。

これはかなり単純な例ではあり、実際にはもっと複雑な例や業界特有の事情はあるのですが、簿記の知識がなければ、「何が起きると財務諸表の数値がどのように変わるのか」ということが分からないため、簿記の知識は財務諸表の中にある問題点をどのようにすれば解決するのかという『問題解決能力』であるとも言えるのです。

見務分析は『問題発見能力』

ここまで見ると、簿記の知識で十分なようにも見えますが、それは大間違いです。

実際のビジネスシーンでは、財務諸表のどこに問題点があるかを教えてくれないのが普通です。
問題点があるのか無いのか、あるとすればどこなのかが分からければ、『問題解決能力』は宝の持ち腐れです。 そこで重要になるのが、問題の有無を認識し、問題があるとすればどこなのかを見つける問題発見能力』であり、その力を身に付けるのが財務分析(決算書分析)の学習なのです。

具体的な財務分析の手法などについては割愛しますが、財務分析の知識があれば、自社のどこに問題があるのかはもちろんのこと、取引先の状況やライバル企業との比較からも問題点や課題を発見することができ、自分たちのビジネスをより有利に進めるチャンスにつながるのです。

簿記と財務分析は車の両輪

財務分析の『問題発見能力』と簿記の『問題解決能力』は車の両輪のような存在です。
どちらか一方だけでは事態は好転させることはできません。

両方を身に付けることで、状況の把握や問題点の認識、仮説の立案から、解決策の選定・実行までできるような、幅広いビジネスシーンで活躍できる人材となれるはずです。

簿記を学習されてきた方にとって、財務分析(決算書分析)の基本はそれほど難しいものではないはずですから、ぜひ学習してみて下さい。

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ネットスクールでは、「だれでもわかる決算書分析」という書籍を刊行しております。

簿記の講師であると同時に、ネットスクール株式会社の代表取締役という経営者の一面ももつ桑原先生が、財務分析(決算書分析)の基本を分かりやすく説明した書籍です。

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  • 定価:
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  • ISBN:
    978-4-7810-0251-4

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