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第191回全経簿記上級の「合格率」と「採点講評」



第191回全経簿記能力検定 上級試験 受験者データ発表

2018年7月8日に実施された第191回全経簿記能力検定試験の上級試験の受験者データが全国経理教育協会(全経協会)のホームページにて発表されました。

気になるデータは以下のとおりです。
  • 受験申込者数:2,262
  • 実受験者数:1,935
  • 合格者数:321
  • 合格率:16.59


『採点を終えて』の気になるところ

全経簿記能力検定試験の上級試験は、合格率等の受験者データが発表されるのとほぼ同じタイミングで、『採点を終えて』という採点者もしくは出題者側の講評に相当する文書もホームページで公表されることになっています。

第191回試験の『採点を終えて』も、受験者データの発表と同様に全経協会のホームページで公開されています。

受験者全体の正答率や解答状況、個別問題の留意点や出題の意図、受験生に要求することなどが主催者側の視点で書かれている(唯一といっていい)文書です。
今回の第191回試験を受験した方はもちろんですが、次回以降の上級試験を受験予定の方も、また、日商簿記1級を受験予定の方もどのようなことに気を付けるべきなのかを知る目的で、ぜひ一読しておきましょう。

※今回からアドレスが変わっており、公開期間が限定される可能性がございます。上記リンクが正しく動作しない可能性も考えられますので、あらかじめご了承ください。

今回は、その中から今後の試験にも関係しそうな内容をピックアップしていきたいと思います。

連結会計に関する受験生のレベルアップ

商業簿記の問題1・問2では、連結2年目の連結修正仕訳が問われました。

この問題について、

きわめてオーソドックスな問題で、上級の受験者には難しくはなかったと思います。それでも、出題者の予想を超える正答率に、受験者の間で連結会計の理解が進んでいることを感じ、うれしく思いました。

と書いています。

本問では子会社株式の一部売却についても出題されましたが、こちらも正答率は良かったようで、全経簿記上級の受験生の連結会計に関するレベルが上がっていることがうかがえます。

背景として、平成29年度から日商簿記2級でも連結会計が出題されるようになったことなども関係しているのかもしれません。

今後、どのような連結会計に関する問題が出題されるのかは分かりませんが、以前と比べれば少しレベルの高い戦いを他の受験生と行うことになる可能性は高いといえるでしょう。

文章で答える問題について

全経簿記上級の会計学では、問題1で必ずと言っていいほど正誤判定問題が出題され、誤った文章となっている設問については、誤りの理由を書かせる形式となっています。

ただ、この誤りの理由に関する答案について

正答欄には×と記入しているのに、その理由が書かれていない答案が散見されました。×にする箇所はあっているのに、その理由が書けないのは理解に苦しみます。また、誤った箇所を正しく修正した文章をそのまま書きだしている解答も散見されました。設問は、理由を述べなさいというものであって、正しく書き直しなさいというものではありませんので、答え方にも注意が必要です。

と書いています。

また、同様に文章で答える問題について、原価計算では、

最後に、文章での説明を求める問いへの解答の仕方について気になる点を指摘しておきます。たとえば、「・・・について説明しなさい」という問いに文章ではなく単語(キーワードと思われるもの)だけを記入している人がいます。時間が足りないのはわかりますが、「・・・はなぜですか」あるいは「・・・について説明しなさい」といった問に対して単語では答えになっていないので、文章で記述してください。

とも書いています。

「単語だけでは答えになっていない」というのは、解釈によっては「(点数を与える)答えになっていない」とも読み取れるのではないでしょうか。

全経簿記上級試験では、科目を問わず文章で解答する問題が多いのが特徴です
慣れるまで大変かもしれませんが、文章で解答する問題の答え方にも注意をしておきましょう。

答案の文字について

この点については、毎回恒例のようにありつつありますが、今回も答案用紙の文字が不明瞭である旨が、至る所で指摘されています。

今回の文章でも、例えば、商業簿記では、

今回も判読しにくい(できない)文字や数字がありました。手で字を書く機会が減少している今だからこそ、文字や数字を書くことの大切さを認識してください。

と言う文章で締めくくられています。 また、工業簿記では、

全体に、今回も字(数字)が汚い、薄い、小さいという採点者泣かせの答案が目立ちました。採点不能で0点にせざるをえない答案もありました。1と7、4と9、0と6など判別しがたい数字もありました。簿記の結果は他人に見せるものです。他人が見てわかるものでなければなりません。大きく濃くハッキリ丁寧に書かなければなりません。読みやすい答案を書いてほしいと思います。

と書かれており、採点者泣かせの答案で、結果的に0点とするしかなかった答案があったことも書かれています。

常々指摘されていることではありますが、採点者は答案用紙を見ることでしか出来ません

どんなにたくさんのことを覚えて理解していても、下書き用紙の計算が正確でも、答案用紙が間違っていたり、読みづらかったりしては、点数に結びつきません。
この点は全経簿記に限らず、文字(数字)を書くすべての試験に言えることだと思いますので、ぜひ皆さんもお気を付け下さい。

2019年度税理士試験を目指す方へ

全経簿記上級試験を受験される方の中には、税理士試験の受験資格の取得を目的とする方も多いことかと思います。

今回、見事合格された方は税理士の受験資格を取得できた訳ですが、税理士試験が目標で、今回の試験で見事合格された方は、まず『合格証書』を受け取ることと思いますが、この『合格証書』では、税理士試験の受験資格の証明にはなりませんので、注意が必要です。

税理士の受験資格を証明するには、別途、『合格証明書』が必要となります。合格証書との違いや請求方法については、以下の記事にまとめてありますので、よく確認しておきましょう。
簿記検定の「合格証書」と「合格証明書」

発行を請求して実際に入手するまでには一定期間が必要となりますので、来年5月の税理士試験申し込み時期に慌てないよう、時間があるときに請求手続きを行いましょう。

なお、税理士試験の簿記論・財務諸表論で出題される内容の多くは全経簿記上級で学習した内容ですが、財務諸表論の理論問題対策も考えると、時間がある方はしっかりと体系的な対策を行うことがおススメです。
※まれに多くの受験生が初めて見るようなレベルの高い内容が出題されることもありますが、そういった内容は解答できる受験生がほとんどおらず、合否に影響しないと考えられるため、無視してしまうのも合格に向けたセオリーの1つです。

ただ、税理士試験の簿記論・財務諸表論は問題のボリュームが非常に大きく、問題用紙はA4版で10ページ以上となるのが通常です。
このボリュームを2時間の制限時間内ですべて解くのは非現実的であるため、税理士試験では限られた時間内で合格に必要な問題を取捨選択し、解くべき内容を効率的に解くという対策が必要になります。
ネットスクールの税理士WEB講座では、2019年度の試験に向けた講座を開講中です。
簿記論・財務諸表論のダブル合格を目指す方は、ぜひ受講をご検討下さい。

お知らせ

ネットスクールでは、全経簿記上級試験や先ほどご紹介した税理士講座のほか、日商簿記1級や建設業経理士試験対策のWEB講座を開講中です。
合格発表後に次の試験に向けての学習方法をご検討中の方は、ぜひともネットスクールのWEB講座もご検討下さい。

詳細はネットスクールホームページをご覧下さい。

全経簿記上級 過去問題集 出題傾向と対策 18年7月・19年2月試験用

  • 製造元:
    ネットスクール出版
  • 定価:
    2,592円(税込)
  • ISBN:
    978-4-7810-0250-7

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