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今こそ読み直そう!第149回日商簿記2級の「講評」




日商簿記検定の「講評」は確認しましたか?

毎回、それなりの反響を頂いておりますので、今回も日商簿記検定の「講評」を振り返っていきましょう。

日商簿記検定では、試験が終わるたびに、それぞれの回がどういった趣旨で出題されたのかという「出題の意図」と、採点終了後の結果を踏まえた「講評」が日商簿記検定の公式サイトにて公開されているのはご存知ですか?

どちらも試験の主催者から発信される試験問題に対する公式コメントなので、受験される級の過去の「出題の意図」や「講評」はぜひチェックして頂きたいのですが、第150回日商簿記検定が間近に迫ったこのタイミングでは、とりわけ「講評」について注目しておきたいと思います。

「講評」では、その回の受験生の理解や対策が不十分だと思われるポイントがたびたび指摘されています。
裏を返せば、そうやって指摘されているポイントの理解や対策が十分でない限り合格は難しいかもしれませんし、そこを乗り越えれば、出題者の「合格させたい受験生」のイメージに、最終的には合格に近づくかもしれません。

間近に控えた日商簿記検定に備え、前回の第149回日商簿記検定2級の「出題の意図・講評」の中から、「GAINS!」編集担当者が気になるポイントをピックアップしていきたいと思います。

なお、出題の意図・講評の全文は以下のページにて閲覧できますので、気になる方はチェックしてみて下さい。 ※以下の引用文は、特に断りがない限り、第149回日商簿記検定2級「出題の意図・講評」の講評部分から引用したものとなります。

第149回日商簿記検定2級の「講評」で気になるポイント

意表を突かれた(?)本支店会計

第149回の日商簿記2級では、第3問で久々に本支店会計に関する問題が出題されました。

出題範囲の改定に伴い本支店会計特有の処理内容が減ったものの、本支店それぞれの利益を計算しなければならないなど、それでもある程度の計算ボリュームがある問題だったので、なかなか完答するのは難しかった問題だったといえるでしょう。

ただ、本支店会計とはいうものの、多くの決算整理事項は通常の決算に関する問題と共通しており、本店と支店それぞれの金額を計算しておくことを意識しておけば、それほど難しいものではありません。
その点については、講評でも以下のように述べられています。
本支店会計といっても、決算時に行われるべき決算整理事項は株式会社における一般的な決算整理事項とほとんど変わりがありません。例えば、商品の評価や固定資産の減価償却やのれんの償却、貸倒引当金の設定、有価証券の評価替え、費用の前払いや未払いの項目の処理などは本支店会計とは関係ありませんので、基礎力が備わっていればある程度得点できたと思います。

ただ、第149回の問題では、予想がかなり難しかった本支店会計で驚いてしまった上に、慣れていない人も多い勘定記入だったことが、混乱に拍車をかけてしまい、思わぬミスや失点に繋がってしまったのかもしれません。

ただ、勘定記入については、本支店特有の内容(本店・支店それぞれの損益勘定の作成や、支店当期純利益の振替)などはあるものの、それ以外については第2問の他、工業簿記でも十分に出題されるないようです。
それにも関わらず、
今回は損益勘定が問われているにもかかわらず、損益計算書と混同している答案も目立ちました。具体的には、収益の総額と費用の総額との差額を「当期純利益」と答えている誤答が少なくなく、複式簿記の基礎が2級の段階になってもまだ理解されていないのはとても残念でした。
と書かれているように、勘定記入の基礎が抜けてしまったがために誤答となってしまった答案も少なくなかったようです。

たとえ予想していたのとは異なる出題で意表を突かれたとしても、まずは落ち着いて問題に取り組むことが必要であり、平常心と注意力は簿記あるいは会計業務において最も必要とされる資質であると言っても過言ではありません。
とあるように、平常心と注意力をもって試験問題の臨みたいものです。


工業簿記で高得点を取るために

昨今の日商簿記2級では、商業簿記の試験範囲が増えていることに加え、新たな出題形式も増えていることから、商業簿記で高得点を取るのが、以前と比べて相対的に難しくなっています

それに比べると、工業簿記は試験範囲の変更もなく、出題形式や難易度もこれまでと比べてあまり変わっていないことから、商業簿記と比較すると高得点を狙いやすい、むしろ高得点を狙うべきものに変わりつつあります。
※そのため、ネットスクールの日商簿記2級対策WEB講座では、工業簿記から学習するカリキュラムになっています。

ただ、工業簿記の問題はいくつかの計算を経て最終的な結果を導く形式も多く、その途中でケアレスミスはもちろんのこと、覚え間違いやあやふやな記憶で誤った計算をしてしまっても、最終的な計算結果が誤ったものになってしまい、大きな失点に繋がってしまうリスクがあります。

第149回の工業簿記(第4問・第5問)の問題は、どちらもその傾向が受験生の答案に見られたのか、いずれの問題の講評でも同様の指摘がなされています。

第4問の講評では、
多くの受験者が最後の営業利益まで解答を書いていましたが、そのわりに得点は伸びませんでした。
原因の一つは、仕掛品勘定の段階から正確な計算ができなかったことにありそうです。今回は直接原価計算の問題でしたが、直接材料費と直接労務費は全部原価計算と同じ計算です。それにもかかわらず、どちらかあるいは両方を間違えている答案が散見されました。(中略)
もう一つの原因は、原価差異や固定費の集計が正確にできなかったことにありそうです。今回は直接原価計算ということで、原価差異は変動製造間接費のみから発生します。また、固定費の中でもとくに製造固定費は、「その他」の条件を正確に読み取って、該当する項目を慎重に集計することが求められました。
この点は、学習が進んでいて比較的高得点をとれた人でも、満点を取るのは難しかったという結果につながったかもしれません。
とあり、続いて第5問の工程別総合原価計算に関する問題の講評でも、
少なくとも第1工程については、十分に計算可能であるはずですが、この第1工程の正答にたどり着いていない答案が見受けられました。
と、第2工程の計算の元となる第1工程で正しい計算結果に辿り着けなかった方が相当数いらっしゃることに触れられています。

工業簿記で高得点を取るためには、試験範囲を満遍なく対策しておくことに加え、試験本番で落ち着いて計算や集計することも必要になります。

焦る気持ちも分かりますが、商業簿記の問題が難しそうなときほど、工業簿記にしっかり時間を確保して高得点が取れるような戦略を取っておくことも考えておくことをおすすめします。

※第150回試験向けの日商簿記2級『特別ゼミ』では、桑原先生による工業簿記総ざらえ講義を配信しています。
工業簿記に苦手意識をお持ちの方は、ぜひ受講をご検討下さい。

最後に

私たちネットスクールも含め試験前にはいろんな情報が発信されていますが、試験主催者が発信する情報に勝るものはないかもしれません。
ここで紹介したのはほんの一部ですので、受験される方はぜひ一度は原文を読んでみることをおすすめします。


第150回日商簿記検定まで残りわずかですが、試験終了のその時まで、悔いの残らないよう、諦めずに頑張って下さい!

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