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今こそ読み直そう!第150回日商簿記2級の「講評」




日商簿記検定の「講評」は確認しましたか?

毎回、それなりの反響を頂いておりますので、今回も日商簿記検定の「講評」を振り返っていきましょう。

日商簿記検定では、試験が終わるたびに、それぞれの回がどういった趣旨で出題されたのかという「出題の意図」と、採点終了後の結果を踏まえた「講評」が日商簿記検定の公式サイトにて公開されているのはご存知ですか?

どちらも試験の主催者から発信される試験問題に対する公式コメントなので、受験される級の過去の「出題の意図」や「講評」はぜひチェックして頂きたいのですが、第151回日商簿記検定が間近に迫ったこのタイミングでは、とりわけ「講評」について注目しておきたいと思います。

「講評」では、その回の受験生の理解や対策が不十分だと思われるポイントがたびたび指摘されています。
裏を返せば、そうやって指摘されているポイントの理解や対策が十分でない限り合格は難しいかもしれませんし、そこを乗り越えれば、出題者の「合格させたい受験生」のイメージに、最終的には合格に近づくかもしれません。

間近に控えた日商簿記検定に備え、前回行われた第150回日商簿記検定2級の「出題の意図・講評」の中から、「GAINS!」編集担当者が気になるポイントをピックアップしていきたいと思います。

なお、出題の意図・講評の全文は以下のページにて閲覧できますので、気になる方はチェックしてみて下さい。 ※以下の引用文は、特に断りがない限り、第150回日商簿記検定2級「出題の意図・講評」の講評部分から引用したものとなります。

第150回日商簿記検定2級の「講評」で気になるポイント

仕訳問題の正答率の低さ

第150回日商簿記検定2級の合格率は14.7%と、ここ数年「合格率が低くなった」と言われる日商簿記2級の中でも、さらに低めの合格率でした。

その原因のヒントが、「講評」の中で述べられています。

それは、仕訳問題の正答率の低さです。

日商簿記2級の試験では、毎回、第1問で5題の仕訳問題が出題されるのは通例ですが、第150回の試験ではこれに加えて、工業簿記の問題である第4問でも、費目別計算に関する仕訳問題が出題されました。

ただ、どちらの仕訳問題も正答率が良くなかったようで、各問の講評には、次のように書かれています。

まず、第1問(商業簿記の仕訳問題)の講評では、
2問から3問が正答という受験者が見られる一方で、全く得点できていない受験者が相当数おり、これが平均点をかなり下げているものと思われます。白紙の答案よりも、解答用紙に記入があるものの正答がないという答案が多くあり、準備不足のうえに、第1問で相当な時間を費やしてしまった受験者が多かったものと思われます。
と、指摘されており、せっかく時間を割いて解答したにもかかわらず、得点に繋がらなかった受験生が多かったことがうかがえます。

また、第4問(工業簿記の仕訳問題)の講評では、
過去に同種の出題が幾度もあり、目新しい問題ではありません。しかしながら、仕訳について学習が十分でないと見られる答案が数多く見られました。仕訳については、学習を敬遠しがちな傾向があるようです。
と書かれています。

工業簿記の方は、どうしても計算問題の対策に重点を置きやすい傾向にあり、受験生の方々の試験対策では、仕訳問題対策を後回しにしがちですが、工業簿記も”簿記”と名のついているとおり簿記の一分野ですから、商業簿記と同様に仕訳の知識も大切です。

第150回試験では、仕訳問題として出題された第1問と第4問を合わせると配点は40点分にもなり、両者ともに失点が増えてしまうと、合格は難しくなってしまいます。これが、前回の試験で合格率が低かった大きな原因ではないかと推測するのも、ある程度合理的ではないかと思います。
第151回試験でも工業簿記で仕訳問題が出題されるのかは分かりませんが、次回以降の試験もほぼ間違いなく第1問は仕訳問題でしょうし、ここ最近は第2問でも仕訳が問われることが多々あります。
ですから、仕訳対策を行うことは、2級攻略の重要な要素になることは、間違いないといえるでしょう。

ちなみに、今回の講評では、基礎的な簿記の学習ができており仕訳問題が解ける受験生
与えられた取引の説明文をよく読み、取引の結果として、どのような資産または負債の勘定科目の金額が変動するかを考え、また、その結果として収益または費用が生ずるのか(生じない場合もある)を考えて、素直に仕訳を起こせるような基礎的な簿記の学習ができている受験者
と想定しているようです(第1問の講評より)。


直前期にすべてをじっくりと見直すことは、時間の制約上難しいかもしれませんが、1つでも多く、取引を理解して仕訳ができるようにしておくことは、仕訳問題での失点を抑え、合格に近づく有効な方法ではないでしょうか。


第2問の解答時間をどうするのか…という問題

第150回試験では、有形固定資産に関する総合的な理解を問う問題が第2問で出題されましたが、こちらも正答率が低かったようで、第2問も合格率を押し下げる要因の1つになったのかもしれません。

この第2問の解答状況について、講評では次のように述べられています。
答案を拝見してまず感じたのは、白紙の答案がきわめて多く、これらの答案が平均点を押し下げていました。全く手も足も出ないわけではないものの、他の問題との兼ね合いで本問に取り組む時間が不足してしまった、あるいは税効果会計や連結会計まで勉強する余裕もなく試験日を迎えた受験者がいたのかもしれません。
ここ最近の第2問は難易度が他の問題と比べて高い上に、事前の予想が難しく、解答に時間がかかることもしょっちゅうであるため、ネットスクールでも「第2問は後回しにした方が良いでしょう」とお勧めしているくらいであるため、他の問題で時間がかかりすぎてしまい、第2問が白紙になってしまう可能性も十分に考えられるでしょう。

もしかしたら、戦略的に第2問を後回しにした結果、時間を有効活用できたから合格したという方もいらっしゃるかもしれませんので、この事実だけでは、なんともはっきりしたことは言いづらいところだと思っています。
ただ、試験の合格率が低かったことを考えると、必ずしも試験時間を上手に配分する戦略の結果として「第2問を解かなかった(時間を使わなかった)」という受験生はそれほど多くなく、むしろ本当に「解けなかった」という受験生が多かったのかもしれません。

講評ではそれに加えて、
「第1問のような仕訳問題、あるいは第3問のような決算の問題なら解ける。だが、第2問のような一連の流れを問う問題になると途端に太刀打ちできない」という声を聞きます。その主な原因のひとつは、簿記一巡を理解していないことにあると思います。個々の取引を仕訳する能力はとても重要ですが、必ずしも「簿記イコール仕訳」ではありません。
とも書かれています。

先ほど見た講評で仕訳の大切さも指摘されていますが、ある1つの取引だけにフォーカスを当てて仕訳をする力はもちろんのこと、その結果、勘定残高がどのようになるのか、前後にどのような取引・仕訳があるのかなど、一連の関連性も一緒に理解することが求められていることが、この文章からうかがえます。

固定資産や有価証券、商品売買などは一連の流れの理解が、結果として第1問や第3問の応用的な問題を解く力にもつながります。

いま一度、テキストなどで一連の取引の概要や、勘定記入の方法などを見直しておくのも効果があるのではないでしょうか。

最後に

私たちネットスクールも含め試験前にはいろんな情報が発信されていますが、試験主催者が発信する情報に勝るものはないかもしれません。
ここで紹介したのはほんの一部ですので、受験される方はぜひ一度は原文を読んでみることをおすすめします。


第151回日商簿記検定まで残りわずかですが、試験終了のその時まで、悔いの残らないよう、諦めずに頑張って下さい!

合格するにはワケがある 脳科学×仕訳集 日商簿記2級

  • 製造元:
    ネットスクール出版
  • 定価:
    1,200円(税抜)
  • ISBN:
    978-4-7810-1527-9

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