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ごまからごま油ってどれくらい採れるの?



※この記事は、過去にネットスクール株式会社が『有報教育研究所』というサイトに向けて執筆したコラムを、最新の情報で書き直したものです。

料理の強い味方『ごま油』

一人暮らしで自炊を始めると、早々にレパートリーに困ってしまうのですが、「これさえあれば、どうにかなる!」と思わせてくれる貴重な食材や調味料がいくつかあるものです。
私としては、とりあえず「ごま油」で炒めれば、その香ばしさで食欲が湧くので、学生時代にはかなり重宝させてもらいました。
今回は、そんな「ごま油」に関する話題を有価証券報告書(有報)で探ってみましょう。

ごまからごま油ってどれくらい採れるの?

ごま油といえば、黄色いキャップでおなじみ、業界トップのかどや製油株式会社(以下、「かどや製油」)が有名です。かどや製油も上場企業なので、有報を使っていろんな情報を知ることができます。

ごま油について気になることといえば、「ごまからどれくらい油が採れるのか」ということ。
かどや製油のホームページ内で「ごまには約50%の油が含まれているため、~」と答えが書かれていますが、本当なのでしょうか。
実は、それを裏付けるような情報も有報に載っているのです。

【生産、受注及び販売の状況】というパートの「(1)生産実績」には、生産実績が載っており、1年間でかどや製油がどれくらいのごま油を生産したかが載っています。

(かどや製油株式会社 第59期有価証券報告書より)
第59期(平成27年4月1日 ‐ 平成28年3月31日)の有報によれば、生産量は44,086トンとあります。しかし、この内訳として更に「ごま油」と「脱脂ごま」という項目が掲載されています。

少々違和感があるかもしれませんが、この謎は会社が営む事業を細かく分けた“セグメント”と呼ばれる情報も調べると、その謎が解けます。
【セグメント情報】の「報告セグメントの概要」によれば、「「ごま油事業」は、家庭用及び業務用のごま油やごま油の副生成物である脱脂ごま等の製造及び販売を行っております。」とあるので、私たちが知っている「ごま油」の他、油を搾った後の脱脂ごまの製造・販売も「ごま油事業」と呼んでいることが書かれています。

これを踏まえれば、最初に紹介した44,086トンは「ごま油事業」の生産実績であり、その内訳に「ごま油」と「脱脂ごま」が含まれるのにも納得できます。

では、その内訳はどうなっているかというと、44,086トンの生産実績のうち、「ごま油」は24,258トン、「脱脂ごま」は19,828トンとなっています。
「ごま油」と搾った後に残る「脱脂ごま」の割合がおよそ55:45となっているので、ごまの約50%が油というのも本当のようです。

年ごとに微妙に変わるごま油の割合

この情報、かどや製油の有報で毎期公表されています。

(かどや製油株式会社 第58期有価証券報告書より)
第58期の有報で同じ部分の情報を見ると、40,870トンの生産実績のうち、「ごま油」は22,324トン、「脱脂ごま」は18,545トンとなっています。

先ほど見たとおり、第59期の生産実績に対する「ごま油」の割合が55.02%であるのに対し、第58期で同様の割合を計算すると54.62%となっています。

「およそ55%」というのは変わりませんが、わずかであるのもの第59期の方が「ごま油」の割合が増えていることが分かります。

メインの「ごま油」と副生成物である「脱脂ごま」を比べれば、「ごま油」の方が高く売れるのは明らかでしょう。そのため、ごまから採れる「ごま油」の割合が増えれば、それだけ高く売れる製品が増える訳ですから、かどや製油の利益にとって良い影響を与えるはずです。

これが原因か否か断定はできませんが、第58期の経常利益が1,621百万円であるのに対して第59期の経常利益は2,282百万円に増加しています。

絞るごまそのものの品質や絞る技術など、様々な条件で「ごま油」の割合は変わるでしょうが、こういった角度から企業の業績を見ることも可能な場合があります。

1粒1粒が小さなごまの真実が、投資家に向けて公開されている有報で明らかになっているのも、意外な事実かもしれません。

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