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平成29年度の全経簿記検定の変更点&第186回試験の申込



第186回試験の申込受付スタート

本日、2017年4月10日(月)より第186回全経簿記能力検定試験(5月28日実施)の申込受付がスタートしました。

申込みはインターネットまたは試験会場となっている全国の専門学校で行うことができます。
締切は2017年5月1日(月)となっていますが、試験会場によっては定員の都合で早めに締め切られる可能性もございます。受験予定の方は、早めの申込み手続きをお勧めします。

詳しい情報は、主催者である全国経理教育協会の公式サイトをご確認ください。 なお、第186回試験では上級試験の実施はありませんので、お間違いなく。

平成29(2017)年度からの変更点

さて、全経簿記検定は平成29年度試験に実施される第186回試験から出題範囲等の改定等が行われることになっています。
特筆すべき大きな変更点は以下とおりです。
  • 「4級」が「基礎簿記会計」という名称に変更
  • 「2級工業簿記」の新設
  • 「1級会計」の名称が「1級商業簿記・会計学」に、「1級工業簿記」の名称が「1級原価計算・工業簿記」に変更
  • 出題範囲の変更
今回の改定は、簿記の教育と実務を両立させるとともに、理論的裏付けを強く意識したものだそうです。
詳しい情報は全経協会公式サイトにも案内されていますが、その概要をこの記事でもご案内いたします。
ただし、記事の都合上、一部内容を省略しておりますので、詳細は必ず全経協会公式サイトや最新の公式テキストをご確認ください。

「4級」から「基礎簿記会計」への変更について

4級の位置づけを、簿記会計の導入部に相当するもので、これから簿記会計を深く学習する方はもちろん、他の分野を専門する方に対しても広く簿記会計の考え方を学習してもらい、経営管理能力を向上させるきっかけになるように、今回の改定で改められることとなりました。
その結果として、「基礎簿記会計」では複式簿記の仕組みや損益計算書・貸借対照表の基本が理解できているかが問われる試験となります。

これまでの4級の内容の一部が3級へ移される反面、社会の様々な分野・場面で使える知識が学べるように、これまでの4級では対象となっていなかったサービス業や小規模飲食業を想定した内容が追加されることとなりました。

また、個人企業から株式会社までにつながる営利組織(営利企業)ではなく、非営利組織の会計に関する内容も試験の出題内容に含まれることとなりました。
「基礎簿記会計」を受験する場合には、最初に営利組織に関する問題に解答するか、非営利組織に関する問題に解答するかを選択することとなります。

「2級工業簿記」について

工業簿記の導入部の位置づけとして、2級に工業簿記が新設されました。
この2級工業簿記には「製造業簿記入門」という表現も明記されており、そこからも分かるとおり、従来1級で学んでいた工業簿記のうち、特に基本的な製造業簿記の内容が2級で独立して出題される形となっています。

2級工業簿記で出題される内容のあらましは以下のとおりです。
  • 工業簿記の特質と構造、帳簿組織
  • 原価の分類と原価計算の種類
  • 費目別計算(材料費、労務費、経費)
  • 製造間接費の計算と配賦(実際配賦のみ)
  • 個別原価計算
  • 総合原価計算(単純総合原価計算のみ)
  • 製品の受払い

予定価格や予定配賦を使ったり、標準原価を使って差異を分析する内容や、部門別計算、複雑な総合原価計算、直接原価計算などは1級の内容のままとなっており、2級ではあくまでも製造業簿記の一通りの流れが理解できているか否かが問われることがお分かりいただけるかと思います。

3級の出題範囲の変更

3級商業簿記では、主に以下のような出題範囲の変更が行われます。
  • 追加される内容
    • 株式会社会計(設立、繰越利益剰余金勘定への損益振替)
    • 定期預金(一年以内)
    • 消費税の処理(税抜方式)
    • 営業費用の見越し・繰延
  • 削除または上位級に移される内容
    • 当座借越(2級へ)
    • 為替手形(1級へ)
    • 手形の裏書・割引(2級へ)
    • 受取手形・支払手形記入帳(2級へ)
    • 自社発行商品券(1級へ) ※他店発行商品券は3級のまま

特筆すべき点としては小規模な株式会社を想定した内容へと変わる点と、多くの簿記初学者を悩ませた為替手形が無くなることではないでしょうか。
また、消費税の処理が3級に加わることも、より実務を意識したものだと思われます。

2級商業簿記の出題範囲の変更

2級商業簿記では、主に以下のような出題範囲の変更が行われます。
  • 追加される内容
    • 外貨建取引と外貨預金
    • 納税準備預金
    • クレジット売掛金、電子記録債権・債務
    • 営業外受取手形・営業外支払手形
    • 仕入割戻・売上割戻
    • 投資不動産
  • 削除または上位級に移される内容
    • 五伝票制(1級へ)
    • 特殊仕訳帳制度(1級へ)
    • 為替手形及び自己受・自己宛為替手形、荷為替手形(1級へ)
    • 貸倒引当金の戻し入れと洗い替え法(削除)
    • 特殊商品売買(1級へ)
    • 繰延資産(1級へ)
    • 社債の発行側の処理(1級へ)
    • 支店相互間の取引、未達事項の整理(1級へ)

特筆すべき点としては、外貨建取引の基礎やクレジット売掛金、電子記録債権・債務という日商簿記2級でも最近新しく範囲となった内容が追加されたことではないでしょうか。 また、五伝票制や特殊仕訳帳といった記帳に関する内容や、特殊商品売買や社債など複雑な内容の一部が2級から1級へ移ったことも注目です。

1級商業簿記・会計学の出題範囲の変更

1級商業簿記・会計学では、主に以下のような出題範囲の変更が行われます。
  • 追加される内容
    • 保証債務
    • 外貨建売掛金・買掛金
    • 固定資産の割賦購入
    • リース取引
    • ソフトウェア(自社利用)
    • 固定資産の減損
    • 子会社株式・関連会社株式・その他有価証券
    • 資産除去債務
    • 財務分析
  • 削除または上位級に移される内容
    • 総記法(上級へ)
    • 社債の買入償還、分割償還(上級へ)
    • キャッシュ・フロー計算書(上級へ)

1級では、割賦購入やリース取引、減損といった固定資産に関する内容が追加されることになった点の他、財務分析の基礎が上級から1級へと降りてきた点に注目です。
また、前述の3級・2級の変更点のうち1級に移るものに関しては、1級で初めて学習することになる点も大きな変更ではないでしょうか。

これからの学習について

主な変更点は上に列挙していますが、他にも細かい変更点があります。 詳しくは、全経協会の公式サイト内にある簿記検定改定関連ページをご覧下さい。 また、現在ネットスクールのWEB-SHOPで販売されている『全経簿記公式教材』(1~3級、基礎簿記会計)のシリーズは、すべて平成29年度の出題範囲に対応した最新版となっております。
最新の教材をお求めの方は、よろしければWEB-SHOPでお買い求めください。


なお、全経協会の「全経簿記出題範囲改定に関するQ&A」には、「出題範囲の変更により、見たこともない問題ばかり出題されるのでしょうか?これまでの過去問題は参考になりませんか?」という問いに対して、以下のような回答が記されています。

これまでどおり出題される範囲が数多く残っていますので、「見たこともない問題ばかり」にはなりません。過去問題と同じ論点、似かよった形式での出題も引き続き行われますので、出題範囲から外れた論点を確認したうえで、これまでの過去問題も各級で参考としてご利用いただけます。

日商簿記の学習でも共通していますが、出題範囲の改定や新範囲の追加が行われると、どうしてもその部分に注意が振り向けられます。
ですが、これまでと変更のない内容も多いため、その部分の対策でもかなりの得点ができるはずです。
最新の教材を使って頂いた方が良いのは確かですが、過度に新範囲や変更点に注目してしまわず、満遍なく出題範囲を学ぶことがポイントになることでしょう。

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