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日商簿記2級は簡単な問題の次に難しい問題が出るって本当?



ちらほら耳にする噂や相談…

ネットスクールでは、毎日様々な方から学習相談やお問合せを頂いております。その中で、時折気になることをおっしゃる方がいらっしゃいます。

『前回の試験が簡単だったから、次の試験は難しくなるんじゃないか?』

『前回の試験の合格率が高かったから、次の試験の合格率は低くなるんじゃないか?』

このような不安を抱えてご相談される方々です。

「次の試験は難しくて、合格率が下がりそうだ。だから、見送った方がいいのでは?」という仮説に基づいたご相談でしょう。
また、どこかでそういう噂を聞いたからこそのご相談なのかもしれません。

パッと聞くと、信じてしまいそうな説得力があります。ですが、本当にそうなのでしょうか?

今回はこの件について、日商簿記2級の過去の受験者データを振り返りつつ、検証してみましょう。

日商簿記2級の合格率の推移

まずは、集計や加工がしやすく、グラフもすぐに作れるExcelシートのデータとして残っている第101回から直近の第145回までの日商簿記2級の合格率の推移をグラフにてみましょう。それが、下記のグラフです。 見ると、角度が急な山を作って大きな合格率の変動がいくつも見受けられます。

また、前回試験との合格率との差の値を見てみると、より分かりやすいかもしれません。
これもグラフにしてみました。それが下記グラフです。
0%の緑の線よりも上の回は「前回よりも合格率が高かった回」、下の回は「前回よりも合格率が低かった回」を意味します。 このグラフを見ると、合格率が大幅に上がった試験の次で合格率が大幅に低下したり、反対に合格率が大幅に下がった試験の次で合格率が大幅に向上したりといったことが良く分かるため、もしかしたらこの仮説は本当に正しいのかもしれません。

ただ、波のように見えても緑の線(差が0%の線)の上または下の状態が続いていれば、それは合格率が上がり続けていたり、下がり続けたりしていることを意味します
例えば、127回~129回の部分を見ると、赤い線が「M」字状の形を描いています。真ん中の128回は難しかったかのように錯覚しますが、128回の点でも赤い線のグラフはプラスになっており、前回(127回)の合格率より高くなっていることは「合格率の推移」のグラフからも明らかです。
従って、必ずしも難しい回と簡単な回が交互に繰り返されている訳でもなさそうです…。

合格率のカラクリと受験生の行動

もう一度、『合格率』の計算式と意味を考えてみましょう。
合格率は「合格者数÷実受験者数」で求められます。実際に受験した人の数は考慮されるものの、受験した人たちがどんな人たちなのか、まったく考慮されていません

ここに、合格率だけで難易度を評価することの限界があります。
極端な話、受験者全員が簿記を全く勉強したことがない人ばかりであれば、どんなに簡単な問題を出しても、合格率は0%になってしまうでしょう。反対に、かなり難しい問題を出したとしても、受験者が簿記の講師ばかりだとしたら、合格率は100%近くになるでしょう(ケアレスミスなどで不合格になる人がいるかもしれませんが…)。

日商簿記2級で合格率が低い問題が出題されると、他の問題であれば合格できる実力がある受験生も不合格になってしまいます。すると、残念ながら不合格になったものの実力がかなり高い受験生は、きっと次の日商簿記2級をリベンジで受験するでしょう。

このような受験生の行動が顕著であればあるほど、合格率の変動も大きくなる可能性があります。
レベルの高い再受験生が多いと、合格率を算定する基準となる“実受験者数”全体の平均的なレベルが上がります。その状況では、少し易しくするくらいの出題でも元々の受験者全体のレベルが高くなっている状態ですから、合格率は難易度の差以上に上がることが考えられます。

一方、易しい問題が出題されてしまうと、平均的な問題では不合格のために再受験することになるであろう受験生も合格できるため、次の試験の再受験者は減ってしまうはずです。累計学習時間の差を考えると、再受験者の方が平均的なレベルが高くなる傾向にあるため、再受験者が減ることは初学者の割合が相対的に高くなってしまいます。
このような状況では、少し難しい問題でも合格率が極端に下がってしまう可能性が出てしまいます。

そこで、「前回の試験の合格率が低く、不合格になった方が多ければ、次の回で再受験する方の割合が多くなる」という仮定のもと、試しに第102回から第145回までの『前回の合格率との差』と『前回試験の不合格率(1-合格率)』を折れ線グラフにしてみましょう。 合格率自体がある程度の幅でしか推移しないため、かなり高い相関関係が期待できることは容易に予想できそうですが、グラフにしてみると関係性がかなり分かりやすくなります。
前の回の不合格率が高かかった(合格率が低くかった)回は再受験者が多いせいか、前の回に比べて極端に合格率も上がったのではないかと推測できそうです。

まとめ

以上のことを考えると、次のようなことが言えるのではないでしょうか。
  • 回によって多少の難易度の差があり、概ね1~2回おきに増減が入れ替わっている
  • ただし、前回試験の難易度によって、再受験者の割合を含む受験生全体のレベルも変わっていることから、難易度の差以上に合格率が変動している可能性がある

また、「年3回行われる試験の平均合格率」がある程度一定の水準となるように変化しているようなことも言われていましたが、こちらの記事のグラフを見ても分かるとおり、平成23年度頃から年度別の平均合格率自体が大きく変化しているため、ここ最近ではあまり参考にならないのかもしれません。

いずれにしても、日商簿記2級は絶対評価の試験で70点取れば何人でも合格できる試験です。
憶測に必要以上に惑わされることなく実力を高めることを疎かにしないことと、諦めずに挑戦することが、合格に向けて大切なことではないでしょうか。

お知らせ

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