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『及び』と『並びに』の使い分け

仲間を繋げる「及び」と「並びに」

及び」と「並びに」は、いずれも併合的接続詞と呼ばれ、複数のモノ(名詞)や行為(動詞)を並列的に並べて連結するものです。
英語で言えば「and」に当たるもので、単体で見れば同じ意味なので、日常的にはあまり意識して使い分けたり読み取ったりしないかもしれませんが、法律等(法令)や会計基準では明確な使い分けがなされています。

単純に並べるだけの場合は「及び」を使う

同じ意味の語句を単純に並べる場合は「及び」を使って繋げます。
(例) 現金及び預金  ← 現金+預金
もし、3つ以上の語句を繋げる場合は、最後だけ「及び」を使い、それ以外は「、」で繋げることになっています。
例えば、四国にある4つの県の名前を列挙するのであれば、次のように書かれることになります。
(例) 徳島県、香川県、愛媛県及び高知県
※念のためお伝えしておきますが、今回はJIS規格で定められている都道府県コードの若い順に並べただけで、この並びに他意はございません。

「及び」で繋げたグループを更に繋げるときは「並びに」を使う

「及び」で繋げたグループとは異質の存在のものを並列させたいとき、この場合には「並びに」という接続詞を使います。
ここでも、都道府県を例に挙げてみましょう。

皆さんは、「九州北部」と聞いたときに思い浮かべるのは何県ですか?
地図で見ると、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県は「北部」と言ってよさそうですが、熊本県は真ん中あたりで「北部」に含めるか悩むかもしれません。おそらく、そんな感じではないでしょうか。

ただ、気象庁が発表する気象情報に用いる地域名では、その辺の認識が個人によって異なると大きな問題となるため、明確に定義されています。
気象庁の「気象警報・注意報や天気予報の発表区域」によれば、宮崎県と鹿児島県を除く九州5県(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県)に加え、山口県も含んで「九州北部地方(山口県を含む)」と定義することになっています。

では、天気予報の発表区域である「九州北部地方(山口県を含む)」という地域に含まれる都道府県を列挙してみましょう。
すると、まずは狭義の「九州北部地方」の5件を列挙したうえで、それに山口県を加えるように表すと、関係性が明確になると考えられるわけですから、以下のような書き方が考えられます。
(例) 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県及び大分県並びに山口県

法令や会計基準で見てみよう

それでは、実際に「及び」と「並びに」が使い分けられている法令や会計基準を見て、どのように読み取るのか、一緒に見ていきましょう。

まず、簿記に関連する法令でいえば『会社法』ではないでしょうか。 会社法第435条第2項では、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表(会社法では「計算書類」といいます)や事業報告、それに加えて補足資料として計算書類の附属明細書と事業報告の附属明細書を作成することが義務付けられています。

このことを、会社法の条文では以下のような文章で書かれています(分かりやすくするため、括弧書きは省略しています)。
株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。

―会社法第435状第2項(括弧書き省略)

また、会計基準でも同じような使い方がなされています。 分かりやすいところでは、「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」という会計基準の第3項に、この基準の範囲が次のように書かれています。
本会計基準は、すべての会社における自己株式の取得、保有、処分及び消却並びに資本金及び準備金の額の減少の会計処理に適用する。(以下略)

―自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準 第3項

「及び」で括ったグループ同士を「並びに」で繋げる訳ですから、上記の文章から、この基準が大きく分けて2つの事柄についての会計処理を適用するためのものであることが読み取れます。
  • 自己株式の取得&保有&処分&消却
  • 資本金&資本準備金の額の減少

複雑な法令の条文や会計基準も、普段はあまり気にしない接続詞の意味を気にするだけで、文章の構造が一気に分かりやすくなることがあります。

すべての文章がこのような点を意識して接続詞を使っているとは限りませんが、簿記や税理士の試験勉強で参照することの多い法令や会計基準の文章は、概ねこの法則に沿って書かれていますので、知っておくと便利な知識の1つです。

「及び」と「並びに」という接続詞が出てきたら、ちょっと意識してみてはいかがでしょうか?

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