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第185回全経簿記上級の「合格率」と「採点講評」



第185回全経簿記能力検定 上級試験 受験者データ発表

2017年2月19日に実施された第185回全経簿記能力検定試験の上級試験の受験者データが、4月18日に主催者である全国経理教育協会(全経協会)のホームページにて発表されました。

気になるデータは以下のとおりです。
  • 受験申込者数:2,648名
  • 実受験者数:2,220名
  • 合格者数:417名
  • 合格率:18.78%

年4回(5月・7月・11月・2月)実施される全経簿記能力検定のうち、上級試験が実施されるのは7月と2月の年2回のみです。

それを踏まえた前回の第183回上級試験(2016年7月10日)の合格率が17.77%、更にもう1回遡った第181回上級試験(2016年2月21日)の合格率が17.97%でしたので、これらと比較すると、今回の試験の合格率「18.78%」という数値は直近の数値と比べても「ほぼ同じくらい」(もしくは、「わずかに増加」)と言えるのではないでしょうか。

『採点終了にあたって』の気になるところ

全経簿記能力検定試験の上級試験は、合格率等の受験者データが発表されるのとほぼ同じタイミングで、『採点終了にあたって』という採点者もしくは出題者側の講評に相当する文書もホームページで公表されることになっています。

第185回試験の『採点終了にあたって』も、受験者データの発表と同じ2017年4月18日には全経協会のホームページで公開されています。

受験者全体の正答率や解答状況、個別問題の留意点や出題の意図、受験生に要求することなどが主催者側の視点で書かれている(唯一といっていい)文書です。
今回の第185回試験を受験した方はもちろんですが、次回以降の上級試験を受験予定の方も、どのようなことに気を付けるべきなのかを知る目的で、ぜひ一読しておきましょう。

今回は、その中から今後の試験にも関係しそうな内容をピックアップしていきたいと思います。

商業簿記・会計学の正答率のバラツキについて

商業簿記の【講評】の冒頭に、次のようなことが書かれています。

上級の試験ではよくあることのように思いますが、得点の高いグループと低いグループに大きく分かれたようです。

また、会計学の【講評】の冒頭でも、同様のことが書かれています。

今回も、得点の高いグループと得点の低いグループに大きく分かれていました。満点が予想以上にいましたが、零点もかなり多くいました。

商業簿記も会計学も、受験者の得点に大きなバラツキが生じていたようです。
得点ごとの分布をグラフにするとフタコブラクダの背中のように、大きな山が2つできるような形になって、平均点を算出しても、実際に平均点付近の受験生は少ないといった状況になっていることが想定されます。

ただ、気になるのは会計学の“零点もかなり多くいました。”という部分です。
全経簿記の上級試験はそれなりに受験勉強をされてきた方が多いでしょうし、第1問の正誤判定問題などは少なくとも「○か×か」は50%の確率で正解できる訳ですから、零点の方がかなり多くいらっしゃるというのは、ネットスクールとしても意外な事実です。

ですが、その原因として1つ考えられるのが『時間配分の巧拙』です。
時間配分を誤って商業簿記に多くの時間を割いたために、商業簿記の点数は高くなったものの、会計学の問題を解く時間がほとんどなく、結果として会計学が零点となってしまったという可能性です。

あくまでも仮説の域を出ませんが、いろんな試験で同様の事象が起きたことを受験生の方々の失敗談などで耳にするので、そういう受験生の方も少なからずいらっしゃったのではないかと思います。

計算問題で時間がかかりそうな場合、その問題に時間を割いて挑むのが本当に得策なのか、もしかしたら一旦諦めて別の問題に挑んだ方がトータルの点数が増えるのではないのか、臨機応援に思考して本試験の問題に臨む必要がありそうです。

まずは問題文の全体をよく読むこと

今回の工業簿記では、問題1で単純個別原価計算の一連の流れに関する問題が、問題2で組別総合原価計算に近い等級別総合原価計算および連産品の原価計算に関する問題が出題されました。

どちらの問題も、いくつかの計算方法や処理方法が考えられる内容であるため、問題文で計算条件をよく確認して、指定された条件と計算目的に合致した解答が求められます。
そうであるにも関わらず、『採点終了にあたって』では以下のように指摘されています。

問題1,問題2ともに,今回は,問題の条件をよく読んでいない受験生が多かったように思います。正答まであと一歩のところまで計算ができているのに,問題の条件をよく読んでいないために不正解の解答をしてしまっていると思われる答案がたくさん見受けられました。解答をはじめる際には,まず問題文の全体をしっかり読んで,何が問われているのかをきちんと把握してから計算にとりかかりましょう。

工業簿記のように、問題の最初の方で考え違いをしてしまうと芋づる式に間違えてしまう可能性のあるものでは、遠回りのように思えても、問題文の全体像をあらかじめ確認して流れを意識しながら解く方が、結果としてスムーズに問題を解き進められることが多々あります。

また、それとは別の趣旨だと思われますが、商業簿記の問題2の講評でも同様のことが述べられています。

このような総合問題では、取引によって難易度に違いがありますから、問題文等をよく読んでそれを見極めてから解答するようにして下さい。


商業簿記の総合問題では必ずしも順番に解く必要はなく、易しい内容から順に解いていくことが限られた時間内で効率的に得点を増やしていくコツです。
このような問題であっても、『採点終了にあたって』でもアドバイスがあるとおり、まずは問題文の全体をよく読んでから、着手すべき内容を選ぶことがポイントとなります。

答案の文字について

工業簿記の講評の最後は、以下のような内容で締められています。

また,毎回指摘しているのですが,文字・数字が読み取りにくい答案がかなりあります。小さい字,薄い字、判別に困る数字等です。簿記は人が見る記録です。人に見せる,ということを意識して解答しましょう。

今回は工業簿記の講評だけでしか指摘されていませんが、第181回試験の『採点終了にあたって』では、全科目ともに同様の指摘があり、本当に採点で判別に困る場面が多発したことがうかがえます。

採点者は答案を見ることでしか判断・採点できません。
乱雑に書いた結果、「0」と書いたつもりであっても、多くの人が「6」と読めるものになっていれば、それを前提に採点されることになります。

決して「きれいな文字」でなくてもよいので、「丁寧な文字」を書くように心がけましょう。

お知らせ

ネットスクールでは、全経簿記上級試験のほか、日商簿記1級や税理士試験対策のWEB講座を開講中です。
合格発表後に次の試験に向けての学習方法をご検討中の方は、ぜひともネットスクールのWEB講座もご検討下さい。

詳細はネットスクールホームページをご覧下さい。

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