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文字式とグラフの関係(一次関数入門)



文字式と関数

1リットル120円のガソリンを1リットルだけ入れると120円、2リットル入れると240円という風に、ガソリンスタンドでガソリンを入れたときの代金は文字の式に置き換えやすい例です。

上記のような1リットル120円のガソリンの場合、入れるガソリンの量をx(リットル)、その時の代金をy(円)と置くと、以下のような文字式で表すことができます。
※話をシンプルにするため、消費税は無視します。

y=120x

この文字式さえ分かれば、入れるガソリンの量を表すxの部分に好きな数字を当てはめることで、簡単に代金が分かります。

 x=5の場合
   y=120×5
   y=600
 x=35.5の場合
   y=120×35.5
   y=4,260

また、方程式の解き方を知っていれば、yの部分に「これくらいに抑えたい」というガソリン代の予算を当てはめることで、入れることのできるガソリンの量xを求めることも可能です。

 y=1,500の場合
   1,500=120x
   120x=1,500
     x=12.5
 y=6,000の場合
   6,000=120x
   120x=6,000
     x=50

このように文字式を活用することで、2つの数値(この例であれば、「ガソリンの量」と「ガソリン代」)の関係をシンプルに表現することが可能です。
そして、このように2つの数値のうち、一方が決まればもう一方の値が決まるような関係性を数学では『関数』といいます。

また、xがxなどといった〇乗の状態になっていないものを特に『一次関数』といいます。
簿記検定の問題を考えると、『一次関数』で対応可能なケースがほとんどなので、この記事では『一次関数』の場合を前提に、関数とグラフについてみていくことにします。

一次関数とグラフの関係

では、先ほど見たガソリン代を求める関数『y=120x』のxに1、2、3…といろんな数字を当てはめてみましょう。 xの値を1、2、3…と増やしていった場合のyの値を計算した結果が以下の表です。

この結果をよりイメージしやすくするために、グラフの座標軸に描き入れてみましょう。
横軸はxで表しているガソリンの量(リットル)、縦軸はyで表しているガソリン代(円)とします。
xが1のときにyは120、xが2のときyは240、xが3のときyは360…赤い点を打っていくと、以下のグラフのように、点が並んだグラフを描くことができます。

グラフを見ると点が一直線上に並んでいるように見え、表で省略したxが6や7のところも、点線の○で示したようなところに本来は点があるように見えてきます。
また、このグラフはxが1、2、3…と整数の場合の計算結果だけを並べたものになっていますが、実際にはxの値がもっと中途半端な0.2とか0.5とか1.4とか1.444444…といった、点と点との間に無数の点を打つことも可能です。

そうすると、点の集まりは一本の直線になってきます。これが、一次関数のグラフです。

グラフの「切片」と「傾き」

こんな例も考えてみましょう。

世の中の試験には、「減点方式」と呼ばれるものもあります。
例えば、100点満点の試験で1つミスをする度に2点ずつ減点される減点方式で採点される試験があるとしましょう。

ミスの数をx(回)、点数をy(点)とおいて考えてみましょう。 ノーミス(xが0)であれば得点を表すyは100、1回のミス(xが1)であれば得点を表すyは98…となっていくので、以下のような式で表すことができます。

y=-2x+100

このケースに関しては、最初に見たガソリンの例のようにミスの回数が0.4回とか2.5回といったことはあり得ないと思いますが、分かりやすくするためにグラフにすることができます。

すると、以下のようなグラフになります。

切片とは

最初のガソリン代のグラフの例と異なり、今度は縦軸と横軸が交わる原点ではないところで関数のグラフと座標軸が交わります。
このグラフと座標軸が交わる点を「切片(せっぺん)」といい、x軸と交わる切片を「x切片」、y軸と交わる切片を「y切片」といいます。
※単に「切片」といった場合に「y切片」のことを指すケースもあります。

グラフと関数の式を見比べてみると、y切片はすぐに分かります。
「y=-2x+100」の最後にくっついている「+100」がy切片になっているように、y切片の値は関数の最後についている数値になります。

では、x切片の値はどのように求めれば良いのでしょうか。
x切片ではyの値が0になっていますので、関数の式のyに0を当てはめて、その時のxの値を計算することで求めることができます。
「y=-2x+100」であれば、x切片の値は50ということになります。

傾きとは

この一次関数のグラフでは、xが1ずつ増えると、yが-2ずつ減っていきます。
このとき、xが1ずつ増えたときのyの値の変化の量を『傾き』といいます。
「y=-2x+100」であれば、「-2」が傾きに相当します。

ここで式の数字に注目してください。傾きの「-2」は「x」の前についている数字と一致しています。

これは偶然でもなんでもなく、一次関数では式の「x」の前についている数字がグラフ上での傾きを表すことになっています。

最初のガソリンの例のような傾きがプラスの値の一次関数であればグラフは右肩上がり(/)の直線に、次に見た減点方式の採点の例のような傾きがマイナスの値の一次関数であればグラフは右肩下がり(\)の直線になるのが特徴です。

グラフの描き方

検定試験によっては定規が使えませんが、この「切片」と「傾き」の知識があれば、フリーハンドでもある程度正確なグラフを描くことができます。

まず、y切片の値を基準にy軸と交わるところからグラフを描きます。
傾きがプラスの値であれば右上方向にグラフを伸ばします。そのとき、傾きのプラスの値が大きくなればなるほど傾きは急なものになります。

一方、傾きがマイナスの値であれば右下方向にグラフを伸ばします。そのとき、傾きのマイナスの値が小さくなれば(マイナス記号を外した絶対値の数値が大きくなれば)なるほど傾きは急なものになります。
また、傾きがマイナスの値の場合、たいていのグラフはグラフがx軸とも交わるようになります。x軸と交わるx切片の値は先ほど見たとおり計算で求めることができるため、この数値も踏まえて作図することで、より自然なグラフを描くことが可能になります。

※数学的にはもう少し厳密に描くべきかもしれませんが、あくまでも簿記検定で必要な範囲では、この程度理解していれば十分だと思います。そもそも、日商簿記検定では定規を使うことができず、フリーハンドで描く必要があるため、おおよそ正確なグラフが書けることが重要となります。

「x=〇」「y=△」だけの式のグラフ

式をグラフに描き入れる際に、「x=5」や「y=5」のようにxやyだけしか登場しない式を描くケースがあります。

ただ、これはあまり難しくありません。

例えば、「x=5」という式であれば、yの値に関係なく、とにかくxが5である点を繋げばいいので、x軸の5の部分を通る縦方向の直線となります。

また、「y=5」という式であれば、xの値に関係なく、とにくかくyが5である点を繋げばいいので、y軸の5の部分を通る横方向の直線となります。

おまけ 関数で表せないグラフ

関数のように見えて、関数では表せないグラフも使われることがあります。

例えば、以下のようなグラフです。

これは、メーカーが新製品を企画・設計してから製造・販売するまでの原価について表したグラフです。
黒い線は実際に発生する原価がどの段階で生じるかを表したものです。販売までにかかるコストのうち、大半のコストは実際の製品を作る製造段階で発生します。製造段階では、材料費や作業員の人件費などが大量にかかるため、この部分でグンと伸びるような線となっています。

ですが、原価がどの段階で決まるのかといえば、企画や設計段階で決まってしまいます。


このように、どの段階で原価が決まってしまうのかを表したのがグラフ上の青い線になっているものです。
企画や設計段階で青い線がグンと伸びていることからも分かるように、企画や設計の段階で大半のコストが決まってしまい、多くのコストがかかってしまうような企画や設計をしてしまった時点で、製造現場でのコストカットに限界があることを示しています。
※夕飯を「すき焼き」に決めた段階で、食費を削るのに限界があるのと似ています。


そのため、抜本的なコストカットは新製品の企画や設計段階で考えるべきというのが、このグラフの伝えたいところです。

さて、このグラフ。妙な曲線を描いていますが、決まった関数の式がある訳ではありませんし、縦軸の数字もおよその目安であり、グラフの形や細かい数値は企業や製品によっても異なります。
これはあくまでも『概念図』として、グラフという分かりやすい形で可視化したものにすぎません。

このように、グラフには式や数値で表せないもののでも分かりやすく表現するために作られるものもあることも知っておきましょう。

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